英語つづり字改革関連 Q&A


なぜ つづり字改革なのか。ふくざつな 英語の つづりを カンタンに するためです。
英語の つづり字改革 は、英語圏だけの もんだい に とどまらず、英語を おぼえて つかう たくさんの ひとたち にも かかわることです。

英語で "spelling reform" や "spelling society" など で 検索 すれば、いろいろと 英語の つづり字改革関連の ページ が みつかります。(The English Spelling Society での 改革案のコンテストでは、"Traditional Spelling Revised" が 投票で えらばれました。The American Literacy Council は、"SoundSpel" を ずっと おしています。)

方言の ことも 書きましたが、これは 英語圏の ひと たち が 表記法改革を きょぜつ する 有力な 理由なので、とりあげました。(日本人の なか にも 日本語の 仮名づかいの 表音主義を 否定する 理由と して 方言の 存在を あげて いる ひと が いる ようです。)

 

質問:英語の つづり字改革運動 は 日本語の カナモジ・かなもじ運動 と なにが ちがうのか?

 

たんじゅん に かんがえれば、日本語の カナモジ・かなもじ運動は、かんじ を つかわないようにする、あるいは へらす、という ことの よう です。

そして、かんじ を つかわない としても、こくごじてん の ことば の ならびじゅん(はいれつ) は そのまま かわりません。

英語の ばあい は、じじょう が まったく ことなります。つづり が かわってしまうと、じしょ の ことば の ならびじゅん も かわってしまいます。

そして、つづりを どのように かえるのか という もんだい が あります。

たとえば、break という たんご の つづり を そのままにするのか、breik と かく か、braik と かく か、braek が いいか、あるいは brake と おなじ つづり に してしまうのか。

 

質問:英語以外で つづり字改革は あるのか?

 

たとえば、保守的と おもわれる フランス語でさえ、つづり字改革(1990 - 2016)を 実施しました。

ただし、とても ひかえめなものです。それでも2400語の つづり が かわります。

発音例外だった oignon が、発音に あわせて ognon に なったり、
英語からの外来語 igloo が、フランス語のルールに そって iglou に なったり、
/f/ の発音をする ph が f の文字で 表記されるように なったり、
ハイフンの つかいかた が ひかえめに なったり、
アクセント記号の つかいかた が すこし かわったり する など です。

発音しない文字は、ほとんど そのまま のこりました。

 

 

質問:つづり字改革に関しては 反対意見のほうが はばをきかせているようだが・・・

 

たしかに そういう いんしょう です。改革賛成派が 総論賛成各論反対で 団結が むずかしいのとは ことなり、反対派は 理由は どうあれ 連帯感が あるようにさえ 感じられます。あるがままの 英語を ほめたたえるような 意見も みかけます。

 

 

2021ねん4がつ には、こういうのが ありました。

As reformers vote to make it easier for children to learn English... These nu, sili speling rools tayk the biskit

https://www.dailymail.co.uk/debate/article-9489153/Reformers-vote-make-easier-learn-English-nu-sili-speling-rools-tayk-biskit.html

 

投票で きまった Traditional Spelling Revised は、nu, sili, speling, tayk, biskit など とは かかないのに。印象操作でしょうか。

 

"Traditional Spelling Revised, or TSR, aims to get rid of silent letters such as ‘w’ in wrong." なのに、"With this in mind, it can’t be long before they vote to change their name to the Intunashnal Speling Congris." なのです。その改革案の なかみ など は、はなから理解するつもりもなく、先入観で すべてを ぶったぎっています。結論ありき です。つづり字改革すなわち単純化と表音主義 と いう おもいこみ です。"Those who find spelling easy tend to pooh-pooh the idea that it should be simplified. They prefer to equate poor spelling with stupidity." に いたっては、つづり が どのようなものであれ、まちがえる やつ が おろか なのだと いわんばかり。むかしから きまっているものを かえたくないのでしょう。

 

 

質問:おすすめ の つづり字改革案 は?

 

つづり字改革案 の 人気投票 らしき こころみ が、ありました。
http://spellingsociety.org/international-english-spelling-congress

 

2020ねん、6つ に しぼられました。いずれも 体系的な 改革案 です。

http://spellingsociety.org/uploaded_iesc/shortlisted-comparison-misc.pdf

Lytspel, ReadScript, RichSpel-Long, RichSpel-Short, SoundSpel, Traditional Spelling Revised.

 

2021.4.12.のプレスリリースによれば、えらばれたのは、"Traditional Spelling Revised" でした。その6つのなかで もっとも穏健な つづり字改革案 です。

 

https://www.reddit.com/r/TheEnglishSpellingSoc/comments/hovo01/hamlet_and_the_case_for_spelling_reform_please/

 

https://www.reddit.com/r/TheEnglishSpellingSoc/comments/mp9wpk/voting_the_results_are_in/

 

https://www.reddit.com/r/TheEnglishSpellingSoc/comments/mpsb83/concerning_new_loanwords/

 

しかし、1つの音に複数のつづりパターンが対応するので、あたらしく借用語をとりいれるとき、 どのように書いたらいいのかわからないという。そもそも外来語は そのままにしておくのでは?

 

しかも、TSRに決まったからには、マジック e や 二重子音字のルールを厳格に実行すべきだ とか、soft c や soft g なんかやめろ とか、s と z の使い分けを徹底させろ とか、そういう かんがえ も きえてはいないのかも。

 

つまり、TSRは、つづり字改革の出発点としては みとめるけれども、もっとラディカルに って こと ですね。

 

http://spellingsociety.org/iesc-traditional-spelling-revised_article61#commento

ここのコメントらんをみても、かかれた英文がぜんぜんTSRじゃなかったりします。

“If u always repeet whot u’v always dunu’l always get what u always got”

これって、「ルール4つのつづり字改革案もどき」の かきかた です。

( 8. Irregular or sign words )

 

 

質問:いままでに だされた 英語の つづり字改革案は、どのようなものが あるのか?

 

書きかたを かんりゃく化するだけの 改革案、一部の 例外を 修正する だけの 改革案、フォニックスの きほんルールの いくつかを てってい させる 改革案、表音主義を (かなり) てってい させる 改革案、つづり字記号や とくしゅ な もじを つかう 改革案 など、さまざま です。すべての 改革案を 網羅して こまかいところまで 正確に 把握することは 不可能です。

さまざまな つづり字改革案が あります。合意形成は カンタン では ない でしょう。

 

さまざまな 英語つづり字改革案 や 表記法 など

"Traditional Spelling Revised"(TSR)
http://spellingsociety.org/uploaded_iesc/summary-version--traditional-spelling-revised-misc.pdf
http://spellingsociety.org/uploaded_iesc/1000-most-common-words-transcribed-into-tsr-misc.pdf
英語の 伝統的つづり字をみなおし、それぞれの音素に いくつかの つづりパターンをみとめつつ、それぞれの つづりパターンには 1つずつ の よみかたを さだめる。
よぶんな もじ の さくじょを する。ck, tch, wh などは、そのまま。-ed の e も そのまま。eight, high, thought の gh は、そのまま。drought の gh は、どうなる?
psycho の ch は そのまま だが、ps- の p は あたらしいほうのルールでは かかない らしい。design の g は のこす。gnash の g は さくじょ。そして、hour, know, knot, write は、"our", "no", "not", "rite" に なってしまうらしい。
二重子音字の つかいかた に 一貫性をもとめる。
accommodate は acommodate に。committee は comittee に。lily は lilly に。
ch は、/k/ でも /sh/ でも、そのまま、だったはずなのに、character, technology が、carracter, tecnology に! machine は、"masheen" に なるのかどうか。
gh は、/f/ なら f あるいは ff で かきなおすが、よまない場合は、ほとんど そのまま。
ph /f/ は、そのまま。phat, phishing, X-phile.
th は、有声音でも無声音でも そのまま。
短音を a, e, i, o, u で 表記するが、any, many, none, other, some などは、そのまま。
長音は、つづりのパターンを つぎのように きめる。
/エイ/ --- a-e, ai, ay, eigh, ey
/イー/ --- e-e, ee, ea, (e)
/アイ/ --- i-e, -ie, y, -ye, -uy, -igh
/オウ/ --- o-e, o, -oe, oa
/ユー/ --- u-e, -ue, u, ew, eu
逸脱したものは、つづりをかえる。ただし、外来語や固有名詞などは そのまま。
/ユー/ と /ウー/ と /ウ/ の くべつ を てってい させます。
blue, true は、bloo, troo に なってしまいます。
boost, food, fool, pool, zoo などは、そのままですが、
book, foot, full, pudding, push は、buuk, fuut, fuul, puuding, puush に なってしまうようです。
could, should, would は、そのまま。

 
「規則化英語」(Regularized Inglish)

https://en.wikipedia.org/wiki/Regularized_Inglish

英語の つづり と はつおん の かんけい ぜんぱんを みなおし、ふきそくな ところを きそくてきに なるように しゅうせい します。よまない もじを さくじょ することは ほどほどにしています。たとえば、knight の k も gh も そのまま のこします。right, rite, write の くべつ も、cite, sight, site の くべつ も、そのまま です。

blood, flood が blud, flud に なります。

move, prove は moove, proove に なるのは いいのですが、fool, pool が foole, poole に なったり、full, pull が fooll, pooll に なったりします。

さらに、father を faadher と かいたり、as, is, pose を az, iz, poze の ように かくことになります。a, th, s に ついては、かなり ひどいことに なります。

それでも、欠点を しゅうせい すれば、さいこう の つづり字改革案 たりえます。


7つの単純なルールによる英語つづり字改革案
--- よまない もじ の うち、b, g, gh と receipt の p を さくじょ し("recete")、f の おと を f の もじ で 表記、「短音」の e を e の もじ で 表記、ea, ear, eau, ei などの こんらんを かんわ する など、ばんじ ひかえめな つづり字改革案です。体系性は ありません。
comb, tomb, womb は coam, toom, woom に なります。
sign, design, resign, benign, malign は sine, desine, resine, benine, maline に なります。
fight, light, night, right, sight は fite, lite, nite, rite, site に なります。


フォニックス を 単純化 した ルール 4つ の 「つづり字改革案」
もともとは、スペリングソサエティーの「ハウススタイル」として かんがえだされたもの。かきかた の 単純化。
--- よぶんな もじを ただしい はつおん が しめせる 範囲内で とりのぞく。
--- 短音を a, e, i, o, u で 表記する。二重子音字の つかいかた に 一貫性を もたせる。
--- マジック e を -aCe, -iCe, -oCe で てってい させ、ストレスのある /i:/ は ee で かきあらわす。
--- /f/ の おと を f の もじ で かきあらわす。

たしかに つづりの 書きかたに 一貫性を もたせる という 意味では カンタンに なる とも かんがえられますが、know を no と おなじ つづり に したり、mail, loan を male, lone と おなじ つづり に する など、いきすぎた たんじゅん化 には 欠点 も あります。(ルール1では、でだしの もじを のこし、たんごおわりの二重子音字をみとめ、ck, tch, wh, -ed などをそのままにして、よぶんな もじを はぶくときに つづりの微調整を みとめるような ルールに すればいい。ルール3は、マジック e の拡大適用をひかえて、ダイグラフ・トライグラフの修正をすればいい。



マジックeなしの英語つづり字改革案「サウンドスペル」(SoundSpel)
--- a, e, i, o, u が「短音」で、ae, ee, ie, oe, ue が「長音」の 改革案。マジック e の パターン 完全否定。子音字の二重化は しないのが 原則ですが、all, off, 語中の rr などを容認。そして、公式サイトの用例では、語末に ss も でてきます。/k/ は "c" と "k" で 書かれますが、"ck" の くみあわせ は ありません。


表音主義の英語つづり字改革案「ニュースペリング90」(NS90)
--- a, e, i, o, u が「短音」で、ae, ee, y, oe, ue が「長音」の改革案。マジック e のパターン 完全否定。子音字の二重化は しないのが 原則ですが、ss は一部容認。/k/ は k の もじ で 書かれます。


小冊子「ザ・パイオニア」で つかわれていた 綴り字改革案
--- a, e, i, o, u が「短音」で、ai, ee, y, œ, eu が「長音」の改革案。マジック e のパターン 完全否定。子音字の二重化は ありません。


子音表記をてってい的に合理化する つづり字改革案 (The LOJIKON)
--- じゃっかん の 例外を のぞいて、原則的に 母音表記は おおむね そのままです。


書きかたを てってい的に 簡略化する つづり字改革案 「カットスペリング」
--- よまない もじを てってい的に さくじょする 改革案です。さらに、lemon, letter を "lemn", "letr" などのように 書くなど、ストレスのない音節の母音字も しょうりゃく してしまうので 解読しにくいです。the は "th" と 書きます。/ai/ の音価をもつ -ig- や -igh- を "y" で おきかえるので、night, sign は nyt, syn と 書くことに なります。


よぶん な もじ の 省略が 中心の つづり字改革案 「サープラスカット」
--- はつおん にも 意味 にも カンケイのない よぶん な もじを てってい的に とりのぞく 改革案です。ただし、すべての 黙字を とりのぞけるわけではありません。calf, psalm, who, whole, whose や comb, tomb, known, own, night, sign などは(黙字を とりさる だけ では よみかたを 正確に あらわせなくなる ので) そのままです。もじを さくじょする 際の きじゅん が あいまい なので、明確化すべきです。

よぶんな文字をさくじょして、母音表記の パターンを たんじゅんか しようとする かいかく案 も ありました。

http://www.valerieyule.com.au/intspel2.htm


「エイ」--- aCe, ai, ay
「イー」--- eCe, ee, ea, e
「アイ」--- iCe, i, y, iy
「オウ」--- oCe, o, oa, oe
「ユー」--- uCe, u, iu, ew

 


さらに ほかにも いろいろ あります。

つづり字記号を 導入する 改革案。

ローマ字を 連想させるような 改革案。旧来の正書法は 完全否定。

発音記号を 連想させるような 改革案。(実際、発音記号の もと と なった。)

 

 

質問:つづり字改革とは カンケイなく 書きかたを カンタンにしたりすることが あるようですが・・・。

 

たしかに、high, low, night, though, through, yea が hi, lo, nite, tho, thru, yay に なったりしています。enough, photo, sulphur が enuff, foto, sulfur に なったりしています。cheloid は keloid に なりました。そういった 書きかた の かんりゃく化 というか 合理化を もとにした つづり字改革の ルールを かんがえてみるのも ありだと おもっています。

 

たとえば、つぎのような フォニックスの例外をへらす英語つづり字改革案 です。



1. よぶんな もじを さくじょして、その際に 必要に応じて つづりを 微調整する。さいしょの よまないもじは のこす。
--- coam(comb), nite(night), swetter(sweater), thaut(thought), thru(through), yot(yacht)

2. 「短音」の a, e, i, o, u は 一文字で表記する。ただし、じゃっかんの例外をみとめる(aunt, southern, etc.)。
--- laff(laugh), relm(realm), bery(bury), pritty(pretty), bisy(busy), yot(yacht)

3. 2もじ・3もじ の 母音表記の 例外を 修正する。
--- bluddy(bloody), canoo(canoe), moarning(mourning), poar(pour), shue(shoe), slyte(sleight), soe(sew), yay(yea), yle(aisle)

4. f の おとを f の もじで かきあらわす。
--- elefant(elephant), enuff(enough), laff(laugh), ruff(rough), sulfur(sulphur)

5. ch /k/ を c, k, ck などで 修正する。
--- cameleon, caos, caracter, mecanical, scool, arkive, kemical, kemistry, monarky ; ecko, ockee

 

質問:かってに ルールを つくって おしつけて よいものなのか?

 

あたらしい ルールを つくって おしつけることは そもそも 不可能です。それが 可能なら とっくに 改革が 実現していたはず でしょう。実際、むかしから 存在する ae, ee, ie, oe, ue のような 一貫性重視の 改革案の ルールは かんげい されていません。

ルールを つくる ばあい、すべてを はじめから 人為的に つくりあげるのではなく、従来の つづり と はつおん の カンケイを ふまえた うえで ルールとして まとめる ということです。

おしつけるのではなく、あくまで 便宜的な もの です。いきあたりばったり よりも、ルールが あったほうが 整理が できて よいと おもいます。

 

質問:たんじゅんなルールだけをしめされても、抽象的で よくわからないと おもうのだが・・・

 


たしかに そうです。たとえば、「はつおん に カンケイのない よぶんな もじを さくじょ せよ」や「誤解をまねく表記は修正せよ」などといった ルールは、たしかに ルール それ自体は たんじゅんです。しかし、それだけでは あまりにも 抽象的です。

ルールだけでは 具体性に 欠けるので、それに そった 単語一覧表も ひつよう です。

ルール に あてはまるもの と あてはまらないもの を ぶんるい整理することは 改革の 一歩手前の 段階に あたる と おもうのですが、それが もし 改革には むすびつかなくても、例外一覧表としての つかいみち が あります。学習にも そのまま 応用 が きくので、諸刃の剣 です。

フォニックスの例外:パターン別ぶんるい

フォニックスの例外を いろいろ まとめて 一覧表に してみました。不規則な スペリング(左がわ)を フォニックスの ルールに あわせて 書きなおす(右がわ)と、よみかたが わかりやすく なります。


「短音」の a, e, i, o, u の つづり の 不規則な 単語一覧
(たとえば、feather, friend, yacht, trouble など。)

"o" を「短音」の"u"/Λ/で読む単語の一覧
(son と sun は おなじ はつおん。some と sum は おなじ はつおん。)

"o" を "oo" のように読む単語の一覧
(たとえば、prove の "o" は groove の "oo" と おなじように 読む。)

R付きの母音表記の例外
(heard や learn の -ear- は -er- と おなじように 読む。)

OUGH や AUGH の もじれつを ふくむ 単語の一覧表
(tough や laugh の gh は /f/ だが、though の gh は はつおん しない。)

AIGH, EIGH, IGH の もじれつを ふくむ 単語の一覧表
(height と weight は 韻をふまない。"eigh"=「エイ」の 図式は 成立しない。)

"ch" を /k/ の音で読む単語の一覧表
(chameleon, character, chemistry, archive の ほか にも 多数。)

"ea", "ear", "eau" の つづり の よみかた を ぶんるい

(つづり字改革の 支持者の おおくが そこまで やらないのは、おぼえやすくなると こまるからです。本格的に つづり字改革について かんがえている ひと は、全員ではないかもしれませんが、つづり と はつおん に ついて ぶんせき・けんきゅうを しているはずです。例外についても ぶんるい整理などを しているはずです。しかし、そのような けんきゅう の 成果を 学習のために やくだつように しよう とは かんがえない。なぜなら もくてき が ちがう から です。ただし、改革運動に みきりを つけた ひと が よみかき の 教育に はしってしまう 例も ないわけではありません。両立できれば いちばん いいのですが。)

 

質問:表記法の改革なんかせずに教育を充実させればいいのではないか?

 


教育の 充実にも 限度が あります。時間も 資金も 有限のものです。

結局は、教育制度が わるい、教師の質が わるい、学習者の とりくむ 姿勢が まだまだ だ、などという 批判が でてきてしまいがちです。

しかし、英語そのものにも、学習しにくいという もんだいが ある と おもいます。すべてを 教育者や 学習者の せいに するべきでは ありません。

英語の スペリングが かわらないのなら 学習者の みみ と 舌 を かえるしかない、などと 著作(数十年前)に 書いていた かた も いましたし、それは それで 教育者としては 殊勝な こころがけ ですが、それでも わたし は ぜひとも 英語の つづりのほうが かわることを のぞみたいと おもいます。

改革が うまく いけば、よみかき の 教育は カンタンに なります。日本語のことを かんがえれば わかりますが、旧仮名よりも 新仮名のほうが 合理的です。

 

質問:英語の つづり は ほとんどの ばあい、規則的なのだから、不規則な部分ばかりを批判しても生産的ではない。

 


不規則な 部分ばかりを 批判するのは 当然です。まさに そこが とりくむべき もんだい点なのですから。

もんだいない部分については そのままでいい と おもいます。すべてを 否定しようとは おもいません。しかし、もんだいのある 部分は 放置するわけには いかない でしょう。

欠点ばかりを みずに よいところ だけを みよ というのは、つねに 最善の 方法で あるとは かぎりません。

 

質問:つづり字改革は方言があるからムリ!

 


多様な 方言が あるのは 英語 だけ では ありません。たとえば、日本語や 中国語や ドイツ語や フランス語や スペイン語や ポルトガル語にも 方言が ある はず です。しかし、これらの 言語では 表記法改革が 実現 しています。

英語だけ ムリ と いうのは おかしいのです。

 

質問:方言を無視する気か?

 

方言は それぞれの 地域における 日常の はなしことば です。(あらたまった) 書きことば とは ちがいます。つづり字改革は、はなしことばを 変えるもの ではなく、書きことばを ターゲットにしています。

 

質問:すべての方言に合致するようなつづりはムリだ!

 

もちろん ムリです。標準語の 基準に あわせた 表記法が せいいっぱい でしょう。

 

質問:どの地域の発音を基準にするのか?

 

特定の 地域ではなく、辞書で みとめられているような 発音、あるいは アナウンサーが つかっているような 発音を 基準に かんがえるのが よいと おもわれます。

 

質問:かりに改革が実現しても 地域方言をつかうひとたちにとっては つづり と はつおん は 一致しないままだ。よって、不公平・不平等ではないか?

 

地域方言を つかう ひとたちも ふくめて、標準語を 身につける 際には どりょく が ひつよう です。そして、方言が 多様であればあるほど 標準語の 存在意義が まします。

標準語は まなびやすいほうが いい。

 

つづり字改革によって、スペリングが 標準的な はつおん の めやす に ちかづけば、不公平や 不平等の 程度が かんわ されます。

 

質問:はつおん どおり と いうのは はつおん記号と おなじように 書くのか

 

ちがいます。スペリングと はつおん記号は くべつ して かんがえる ひつよう が あります。後者は あくまで めやす と なる はつおんを しるすための 便宜であって、通常の 社会生活で ふつうに つかうような 性質の ものでは ありません。

 

つづり と はつおん の きほん的な ルールの 範囲内で 不規則な スペリングの 単語を 書きなおします。きほん的な ルールに 合致している ばあい には 書きなおしません。また、少々 ルールから いつだつ していても、るいすい が 有効な パターンと みなせるもの(ex. old, bold, cold, gold)については そのままに しておきます。

 

質問:はつおんどおりに書いたら 国や地域ごとに つづりが ちがったものに なってしまうのでは?

 

そのようなことには なりません。たとえば、day という 単語の はつおん は、アメリカ英語と オーストラリア英語では、おなじ では ありませんし、car の はつおん に ついても おなじような ことが いえます。しかし、そのような 国や 地域ごとの はつおん の ちがいを つづり字の うえに 反映させる ひつよう は まったく ありません。

 

ですから、「はつおんどおり」 に つづりを 書くというより、一定の よみかた に したがって まよわず よめる スペリングを つかうようにする と 言ったほうが いいのかもしれません。

 

質問:はつおん が 変わるたびに つづりを 変えるのでは きりがないと おもわないか?

 


つづり と はつおん の あいだに 一定の 対応が みとめられれば はつおん の 変化が 生じても つづりを 変える ひつよう は ありません。(ただし それも 程度もんだい でしょうが。)

au/aw は、英米で はつおん が かなり ことなる ものに なりましたが、つづりは そのままです。つづり と はつおん の あいだに 一定の 対応が ある ばあい は むやみに 表記を 変更する ひつよう は ありません。

ee は むかし は 「エー」という はつおん でした。いまは「イー」という はつおん です。しかし、つづり と はつおん は 対応していると かんがえて そのままです。

 

質問:はつおん が わからない ばあい は はつおんどおりに 書けないではないか?

 


英語でも 日本語でも、本や 雑誌などで 読んで つづりは 知っていても 読みかたが わからないことば(固有名詞も ふくめて) というのが あります。そのような ばあい、読みかたは わからないのに つづりは 知っていて 書ける ということも あると おもいます。そのようなときは はつおん とは 無カンケイに 書いているわけです。もちろん はつおんどおりには 書けません。

ぎゃくに、はつおん が わかっていれば はつおんどおり (あるいは きこえたとおり)には 書けます。ただし、それで ただしい つづりに なるかどうかは べつもんだい です。 はつおん が わかっている ばあい でも、ただしい つづりが わからなければ、やはり (ただしくは) 書けません。

 

質問:かえって むずかしく なって しまう のでは?

 


そう ならないためには 節度が ひつよう です。要は 程度もんだい です。

なにもかも はつおんどおり という わけには いかない でしょう。

 

質問:いままで ならったものは すべて おぼえなおし ですか?

 


すべてでは ありません。変更するところ だけを おぼえれば いいのです。 しかも、変更後の つづりのほうが 合理的に なっている はずです。

変更するものに ついては、そのための ルールや、該当する 例外の 一覧表が あれば のぞましいと おもいます。

 

質問:これまでの文献が読めなくなってしまうのでは?

 

日本語の ばあい、すこし くんれんを すれば、旧仮名・旧漢字の 文献が 読めるように なります。英語の ばあい、表記法改革が 実現しても、日本語ほど 新旧の 表記が ことなる ということは ありえません。したがって、あたらしい つづりに なれた ひと でも これまでの 文献は 読めるように なる と おもいます。

 

質問:あたらしい つづり に 適応 できない ひとたち は どうなるの?

 

では、いま現在の 不合理な つづりに 適応できない ひとたちは どうなるのでしょう。

 

そのまま 放置しておくのは このましいことではありません。

 

質問:改革前のつづりは あやまりとなるの?

 


すくなくとも 過渡期には 新旧 いりまじる状態が 想定されますが、りょうほう とも 読めれば おおきな もんだい には ならないと おもいます。

かりに 過渡期を すぎても、それは 「むかしの書きかた」「むかしのスペリング」 と いう こと です。あやまり で ある はず が ありません。

たとえば 英語の ばあい、改革をした 米語式の color と、むかしながらの 英国式の colour が あったとして、どちらも あやまり では ありません。

日本語でも、表記法改革前の 旧仮名 や 旧漢字 を つかう ひと が いまでも いますが、あくまで むかし風の 書きかた と いう こと で あって、けっして あやまり と いう わけ では ありません。

ただし、学校の試験に関しては わかりませんが。

 

質問:語源 が わからなくなるのでは?

 


たしかに つづり が 語源を 反映していそうな ばあい も ある と おもいます。tale と talk は はつおん が まったく にていませんが、もともと つながりの ある ことば です。"tal-" の ところ が 「ことば」に カンケイが ありそう です。しかし、この ばあい、ことばの 意味は 語源とは まったく 無カンケイに 成立しています。

character の ch は /k/ の はつおん で、これは ギリシャ語に 由来するからだ ということですが、caracter と 書いても 意味不明に なる とは おもえません。

つづりは 語源のために 存在するわけでは ありません。

つづりを みただけで たちどころに 語源が わかるように しておく ひつよう など もうとう ありません。語源は 知的好奇心を みたす だけの トリビアに すぎません。

りくつ に あわない つづりを 正当化する ために 語源を しめされるのは まっぴらです。

giant, lama, rickshaw, typhoon など、おおもと の 語源 を ばっさり きりすてた 単語 も あります。つづりから 語源が わからなくなっても 不自由 しません。

ただし、すべて は 程度もんだい です。

 

質問:同音異義語の くべつ は?

 

つづり字改革支持者の おおく は、はなしことば では 同音語の くべつ など しないのだから、書くときにも くべつ せず おなじ つづりで かまわない という かんがえかた の よう です。しかし、たとえば つぎのような ばあい は くべつ が ひつよう でしょう。

 

know/no, knot/not, knight/night, psychosis/sycosis

 

また、mail/male の よう な ばあい も、りょうほう とも 規則的な つづり で あり、よみかた で まようこと は ない と おもわれるので、ムリに おなじ つづり に してしまう ひつよう は ない と おもいます。

 

gage/gauge, meter/metre, weather/wether など は、不規則な ほう の つづりを 規則的にすると おなじ つづりに なりますが、このような ばあい は うけいれても いい と おもいます。

 

同音異義語の区別に不可欠な漢字の廃止は不可能?
http://www9.ocn.ne.jp/~kanamozi/hikari932-0704.html

 

 

質問:アクセント記号を つかって よみかたが わかるようにする というのは?

 

アクセント記号 は もじばけ の 原因 にも なりえますし、使用 できない ばあい も ありますし、それでなくても はんざつ です。

 

めんどう な つづり字記号は 導入 しないほうがいい と おもいます。アクセント記号を ほとんど つかわずに 書けることは 英語の つよみ と さえ いえます。cafe の よう に、本来なら アクセント記号が ひつよう な ばあい さえ、記号を つかわずに すませてしまうくらいです。

 

ただ、一部の 改革論者は 導入すべきだと 主張しています。そうすれば、a, e, i, o, u が「長音」つまり「アルファベット読み」のときに アクセント記号を つけて よみかた の くべつ が できるという。アクセント記号が 使用できないときは ae, ee, ie, oe, ue を つかう らしい。

 

質問:「長音」を ae, ee, ie, oe, ue で 一貫して 表記する 改革案も あるようだが?

 

そのような 改革案も あります。分裂2字1音(split digraphs)の 母音字の なきわかれを なんとかしよう と いう わけ ですね。a_e, e_e, i_e, o_e, u_e を ae_, ee_, ie_, oe_, ue_ みたいに してしまおう と いう かんがえかた の よう です。しかし、それが すべて では ありません。 まよわず よめる 単語まで つづりを かえてしまうのでは、かえって むずかしく なって しまいます。day を dae に かえるのは ・・・。align を alien に かえたりしたら、発音の ことなる べつの 単語 に なってしまいます。mine を mien に かえたりしたら、やはり もともとある mien と ぶつかってしまいます。mien は meen に かわるのでしょう。

"Regspel" では、「エイ」「イー」「アイ」「オウ」「ユー」が、つぎのように なります。

/エイ/ --- ae, ay

/イー/ --- ee, (-e)

/アイ/ --- ie, y

/オウ/ --- oe, o

/ユー/ --- ue, ew, eu

ae, ee, ie, oe, ue を ふまえつつ、ほかにも すこしだけ みとめるようです。

day は、dae には ならず、そのまま。

 

質問:いっそのこと あたらしい もじを つかって 英語を 表記する というのは どうか?

 

そのような こころみ も あったようですが、Initial Teaching Alphabet じゃあるまいし、・・・。

 

やっかいな ものを あたらしく もちこむのは さけたいです。

 

実現の 可能性は ゼロでしょう。

 

質問:だれが 改革を 実行に うつすの?

 

英語を 実際に つかう ひと たち です。

 

はつおん に ちかい 合理的な つづりは、いろいろな ひと が つかえば つかう ほど、認知され、辞書に のる ように なります。とにかく、つかうこと でしょう。そういう つづりを つかって、コメント欄に 書きこみを したり、ブログを 書いたり、ウェブサイトを つくったりしている ひと も います。

 

質問:人為的に表記法を変更することは可能なのだろうか?

 

ある程度は 可能です。英語以外の言語は 実行しています。

 

言語の 自然な 変化に ともない 表記法も すこしずつ 変化することが ひつよう です。人為的に 表記法を 変更させないように 維持することを つづけていると、ますます つかいにくいものに なる と おもうのです。

 

コトバや文字は、人間が手を加えてはいけないものか?
http://www9.ocn.ne.jp/~kanamozi/hikari942-0204.html

 



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