英語に おける 同音異義語の つづり の くべつ


おなじ はつおん で 意味 が ちがう ことば

 

どんな げんご でも そうなのですが、日本語にも、おなじ はつおん で 意味が ちがう ことば が あります。そもそも、「はつおん」という ことば も、「発音」(おんせいをだす) と 「撥音」(はねるおん『ん』) が あります。

英語の ばあい にも、おなじ はつおん で 意味が ちがう ことば が あります。back, bar, bit, net などのように、つづりも はつおんも おなじである ばあい は、同音異義語なのか、それとも 多義語なのか、はっきりしないことも あります。さしあたり、辞書で べつ見出しとして あつかわれて いれば 同音異義語である、ということに しておきます。

英語では、それぞれの 音素に 対応する 表記が いくつも あるので、はつおん・よみかた が おなじでも つづりが ことなる ばあい というのが でてきます。たとえば、right, rite, write のような ばあい です。よまない もじ に よって 単語の くべつ が 可能になる ばあい も あります。

 

会話では くべつ しない としても・・・

 

つづり字改革を となえる ひと の おおくは、「はなしことば では 同音異義語の くべつ など しなくても はなし が つうじるのだから、書くときに わざわざ くべつ する りゆう は ない」 と かんがえている ようです。

(日本でも、カナモジカイの ひとたち は、そのような かんがえかた の よう です。)

hour と our が おなじ つづり に なっても、know と no が おなじ つづり に なっても、mail と male が おなじ つづり に なっても かまわない と かんがえている ひとたち も どこか に いる らしい。

つづりの くべつは ひつようだ という かんがえかた に 対し、どこかの つづり字改革の 支持者は 「それならば bar という 単語は 意味の ちがい に 応じて bar, barh, barr, barrh, bahr などと くべつ したほうが いい とでも 言うのか?」とか「ならば if は if, iff, iph などのように 書き分けたほうが いいのか?」とか、あげあしとり の ようなことを 言う ばあい が あります。(ただし、とくしゅな 例外だけを 修正すれば いい という かんがえかた の ひと も いますが。)

私見としては、back, bar, can, if, light などのように つづり の くべつ が ない ばあい は そのままで いいし、cite/sight/site や right/rite/write のように つづり の くべつ が ある ばあい は わざわざ つづりを おなじに してしまうことなく そのまま くべつを 維持すれば いい という かんがえかた です。(ただし 不規則な つづり は 修正すべき。brake は 規則的だが、break は不規則。)

それでは つづり と はつおん の カンケイにおいて 一貫性が ないではないか、と おもわれる かもしれませんが、ひとつの はつおんに 対して かならず ひとつの 書きかた でなくても、まよわず よめる 範囲内での 規則性が あれば いいと、わたしは かんがえます。

はなしことば では 不可能な ことでも 書きことば でなら 可能な ことが ある。それは 書きことば ならではの 利点である と かんがえることが できます。見出しを つけたり 句読点を うったり 段落を 変えたり するのも、もじ の 色 や おおきさ を 変えたりするのも、書きことば だからこそ できることです。アルファベットを つかう 言語の ばあい には おおもじ と こもじ の くべつ も あるでしょう。これも、はなしことば では くべつ しないから という りゆう か どうか わかりませんが、おおもじを つかわない ひと が いたりします。でも、やっぱり くべつ が あったほうが よみやすい。

分かち書きにしても そうです。Thank you. でも Once upon a time でも、実際には 単語を つなげて はつおん しているのに、書くときは 単語ごとに きりはなして 書いています。つなげて はつおん しているのだから つなげて 書くべきだ とは なりません。

 

つづりの くべつを したり しなかったり

 

変則的な つづりが 簡略化・単純化されることによって、同音異義語の つづりの くべつ が うしなわれる こと も あります。

gage と gauge の くべつをせずに、gage で すませてしまうことが あります。

meter と metre の くべつをせずに meter で すませてしまうことが あります。

net と nett の くべつをせずに、net で すませてしまうことが あります。

set と sett の くべつをせずに、set で すませてしまうことが あります。

tire と tyre の くべつをせずに、tire で すませてしまうことが あります。

これらとは ぎゃく に、fishing と phishing のように わざと ちがう つづりを つかって くべつ する 例も あります。この ばあい、ph を /f/ の おと で はつおん する 単語は 英語には ほかにも いろいろ ある ので、かならずしも 不規則とは いいきれません。

もっとも、この ph こそ、ほとんどの つづり字改革案で f と 書くべきだ と される もの なのですが。

 

変則的な つづりを 規則的に 書きなおした 結果・・・

 

heard を herd に 修正する ばあい にも、すでにある herd と おなじ つづり に なってしまいます。

heart を hart に 修正する ばあい にも、すでにある hart と おなじ つづり に なってしまいます。

weather を wether に 修正する ばあい にも、すでにある wether と おなじ つづり に なってしまいます。でも、それでいいことに しましょう。

bread, lead, read にも、おなじような もんだい(bred, led, red との衝突)が かんがえられます。

some と sum、son と sun、none と nun のような つづり の くべつ は、有用であれば 容認したほうが いいのかもしれません。

ある種の つづり字改革によって、おなじ はつおん の 単語が つづりも おなじに なってしまうことが あります。

 

 

【関連する内容のページ】
フォニックス改良の英語つづり字改革案(TSR)

 

フォニックスのルールをふまえて つづりの 書きかたに 一貫性を もたらします。以下は、あくまで 概略です。ここでは、「ルール4つのつづり字改革案」に あてはめてみました。

(1) よぶんな もじを ただしい はつおんが しめせる 範囲内で さくじょ する。(二重子音字の 一重化も ふくまれる。語末の二重子音字は ほとんどそのまま。)-ed, ck, tch, wh などは そのまま。
--- know, hour, whole, wring は no, our, hole, ring と おなじ つづり に なる。acount, baloon, falacius, opose, sucum.

(2) 「短音」を a, e, i, o, u で表記する。直後の子音字は 語中ならば 二重にするが、例外規定も ある。any, many, other, some などは そのまま。
--- hed, hedded, hevvy, mith, pritty, wimmen, burocracy, yot(yacht), cum, cumming, unnion?(onion).

(3) 「長音」は、発音と文字の対応一覧にしたがう。あてはまるものは そのまま。あてはまらないものを修正。
--- gage, grait, rane, hite, slite, soe, peece, peeple, shue, subpeena, yay.
「エイ」--- a-e, ai, ay, eigh, ey
「イー」--- e-e, ee, ea, (e)
「アイ」--- i-e, ie, y, -ye, -uy, -igh
「オウ」--- o-e, o, oe, oa
「ユー」--- u-e, ue, u, ew, eu

(4) f の おと を f の もじ で 表記する。(ただし、ph /f/ は、そのまま。phat, phishing.)
--- coff, enuff, laff, ruff, tuff.



そう ならないように するためには、ルールを それなりに かんがえておかないと いけません。onion を unnion と かいたら、union だろうって おもってしまうでしょう。

 

ルールの カスタマイズを かんがえたほう が いい。

 

 

つづり が ことなる ばあい

 

つぎのような ばあい、みぎがわの 単語は 「フォニックス」の ちしき に もとづいて つづりを 規則化できる と おもいます。

grate/great --- grait(すでに つかわれている つづり字の ようです)
brake/break --- braik
stake/steak --- staik
slay/sleigh --- sley(ウェブスターの 提唱した つづりの ひとつ)
way/weigh --- wey

wait/weight --- weit???

「フォニックス」の 許容範囲内で 「まよわず よめる」のであれば、むやみやたらと 単純化 する ひつよう は ない でしょう。not と knot の くべつ は あったほうが いい。

たとえ やや変則的であっても、つづり の ちがいが くべつ に やくにたつのなら、そのままのほうが いい。some と sum の くべつ や、son と sun の くべつ は のこすべきもの と おもいます。

male/mail
sale/sail
tale/tail
pane/pain
plane/plain
lone/loan
no/know
not/knot
might/mite
night/knight
rite/write
rote/wrote
die/dye
lie/lye
pie/pi
high/hi

heard/herd
heart/hart
earn/urn

weather/wether/(whether)

come/cum
some/sum
son/sun
none/nun

marshal/martial
medal/meddle
metal/mettle
pedal/peddle
principal/principle
profit/prophet

missed/mist
packed/pact
sun-kissed/Sunkist

cent, scent, sent

 

同音異義語関連の外部リンク

 

http://www.bifroest.demon.co.uk/misc/homophones-list.html
--- This is a list of British-English homophones.

http://www.paulnoll.com/Books/Clear-English/English-homophones-01.html
--- それぞれの 単語の 意味が 英語で 書いて あります。

http://www.spellingsociety.org/kids/words.htm
--- 2ばんめ の 表が 同音異義語の 一覧です。

同音異義語への異議
http://www.sf.airnet.ne.jp/ts/language/homophone.html

多くの同音異義語は文脈で区別できるが、同音異義語が同じ範疇(はんちゅう)に属している場合、文脈は役に立たない。例えば「私立」と「市立」はどちらも設立者なので区別できず、「科学」と「化学」はどちらも学問の名前なので区別できない。

話し言葉で同音異義語を区別するには、読み替え、付け足し、言い替えの三つの方法がある。読み替えは漢字の別の読み(主に訓読み)を用いて発音を変え、付け足しは言葉を追加して漢字を説明し、言い替えは別の単語を用いて区別する。私が知っているものを以下に示す。



同音異義語の区別に不可欠な漢字の廃止は不可能?
http://www.kanamozi.org/hikari932-0704.html

  4.要するに、漢字を つかうから 同音異義語が おおく なったので あって、「同音異義語が おおいから 漢字が 必要だ」 と いうのは カンガエカタが サカダチ して いるの です。同音異義語が ふえる ことは、決して のぞましい ことでは ありませんが、漢字を つかって いる かぎり それを とめる ことは できません。



カナモジ・ローマ字論の初歩
http://www.hokkajda-esp-ligo.jp/jp/yamasaki/yama1-j.htm

1.同音異義語があるから漢字を廃止できないというのは漢字保守主義者が昔から何千回も繰り返してきたことであるが,議論が逆である.ヘーゲルの弁証法と同じく問題の立て方をひっくり返さなくてはならぬ.

 漢字がある限り同音異義語はなくならない.なくすればひとりでになくなる.会話では同音異義語は余り問題にならない.というのはひとは紛らわしいことばは使わないように自然発生的につとめるからである.ときに分からないことがあると,「コウエン-ええと,アトオシです,ハナシではありません」などという.それなら後援などという効率のわるいことばはやめてだれでも分かる「アトオシ」というヤマトコトバを使えばいいのである.にもかかわらずそれをしないのは,昔からの中国崇拝のため,漢字というコケオドシを貴ぶ精神からである.耳で聞いて分からないことばなどはことばというに値しないというべきである.

 



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