a-e, e-e, i-e, o-e, u-e をくっつける英語つづり字改革案

はなれている2つの文字が1つの音をあらわす 

 

a+子音字+e では、a-e のペアで1つの音をあらわす。cake, make, name, sale, tale.

e+子音字+e では、e-e のペアで1つの音をあらわす。eve, gene, mete, plebe, scene.

i+子音字+e では、i-e のペアで1つの音をあらわす。bite, kite, nice, pile, time.

o+子音字+e では、o-e のペアで1つの音をあらわす。home, joke, lone, note, role.

u+子音字+e では、u-e のペアで1つの音をあらわす。cute, duke, fuse, huge, mute.

 

これらは、サイレントe のルールだとか、マジックe のパターンだとか、いわれていましたが、いまでは、「分割二重音字」などと いわれることがあります。ai, ay, ee, eu, ew, oi, ou などのような 母音の「二重音字」(2字1音)と ちがって、2つの母音字が子音字によって分断されているためです。

 

【フォニックスの基礎 Part 6】学校では教えてくれないスプリット・ダイグラフ(離れた2文字で1音を表す母音ダイグラフ)の法則。Cakeはなぜ「カケ」や「ケーケ」でなく、「ケイク」と発音するのか? - YouTube

 

【フォニックス: スプリット・ダイグラフ練習編】分割二重音字(split digraph)は子音により分割された2文字の母音で一音を表すもの。日本人には馴染みのない概念でも適用される単語は驚くほど多い - YouTube

 

ただし、分割ダイグラフのルールに うまくあてはまらないものが かなり あります。

late vs chocolate

mate vs intimate

spice vs hospice

polite vs police

rove vs love vs move

さいごの e をカットするだけでは対処できない場合もあります。したがって、分割ダイグラフを容認して例外だけを修正するとしても、すべてを解決することはできません。

 

 

はなれている2字をくっつけて1つの音をしめす 

 

シンプルな「二重音字」とおなじように、「分割二重音字」も 2文字をくっつけて、ただの「二重音字」に してしまうことは できないのだろうか。

 

https://www.weblio.jp/content/ae%2C+ee%2C+ie%2C+oe%2C+ue

a-e, e-e, i-e, o-e, u-e のような分割二重音字を使わずに、sundae, see, pie, doe, cue などにおけるような母音の二重音字 ae, ee, ie, oe, ue を使って [eɪ], [iː], [aɪ], [oʊ], [juː] をあらわすような英語の綴り字改革案も存在する。サウンドスペルは、その一例である。

 

しかし、align, find, mine, wild が alien, fiend, mien, wield に なってしまうのは、混乱をまねくのではないか。サウンドスペル内では一貫性があるとしても、伝統的つづり字との衝突は、さけたい。(つづりじ改革案 "Regspel" には、これをさける方法があります。)

 

 

分割ダイグラフをつかわず、表音主義をもとめず 

 

文字と発音の1対1対応、つまり、一貫性があって単純なつづりと発音の対応は、理論上は理想的ですが、ここでは、あきらめることにしましょう。 

  • 分割ダイグラフをつかわない。(make, tale が maek, tael に。)
  • 1対1の対応をもとめない。(day, sail, tael)(my, simply)(thigh, thy)
  • 同音異義語のつづりの区別を(かなり)みとめる。(foul, fowl)(sea, see)(cell, sell)
  • 接尾辞を維持。(missed, dogs, fissure, sepulture, vision)
  • 二重子音字を維持。(dinner, supper, matter, add, butt, inn)
  • ダイグラフ・トライグラフのうち不規則なものを修正。(grait, yay, soal, tresure, erth)

 

分割ダイグラフの語末の e は、まえに移動します。(つづりじ改革案 "Regspel" におけるように、-y- の たすけをかりることもあります。ただし、それをやるということは、gym, hymn, system などの y を i にかえることになるのかも?)

 

  

hospice, office, police など、そのままに 

 

police は、分割ダイグラフとは無関係なので、つづりをそのままにしておきたい。表音主義ならば "poleess" となるのかもしれませんが、個人的には、そこまでしたくないのです。

 

 

ae, ee, ie, oe, ue だけではない

 

 

同音異義語の区別を維持する

 

mail と male を ともに "mael" と表記するつづり字改革案もあります。

mail と male を ともに "mail" と表記するつづり字改革案もあります。

mail と male を ともに "male" と表記するつづり字改革案もあります。

これらは、mail を male のつづりの区別をしないという点では、おなじです。

 

表音主義では 区別が うしなわれる。それを きらう ひと は おおい。

 

しかし、mail をそのままにして、male を mael に変えてしまえば、両者の区別は可能です。分割ダイグラフ(マジックe)の場合だけ e を まえに うごかしてしまえば いい。

 

sail をそのままにして、sale を sael に変えてしまえばいい。さいごの e を移動させて、分割二重音字(スプリット・ダイグラフ)をただの二重音字(ダイグラフ=2字1音)にしてしまえばいい。

 

 

 

つづりじ改革案 "SoundSpel"

 

「エイ」「イー」「アイ」「オウ」「ユー」を つねに ae, ee, ie, oe, ue で かきあらわす つづり字かいかく案 は、いくつか あります。SoundSpel(サウンドスペル) も そのひとつ。

a-e, e-e, i-e, o-e, u-e を くっつけて かく ae, ee, ie, oe, ue の ような タイプの かいかく案は、つづり に いっかんせい が あり、おぼえやすい はず。

たとえば、tie という つづり の よみかた を おぼえたら、あとは tied (tied, tide) , tiel (tile) , tiem (time, thyme) , tiep (type) , tiet (tight) など の よみかた も ほぼ 自動的に つづり を みた だけ で よみかた が わかるようになる と いうこと です。

つづり と はつおん の くみあわせ の いちらんひょう さえ あれば、それを みながら、たんご の よみかた が すべて わかるような しろもの です。

https://en.wikipedia.org/wiki/SoundSpel#Phonetics

Phonetics

Phonemes are represented as follows, with nearest possible IPA equivalent.

Notation IPA Example
a
/æ/ sat
e
/ɛ/ set
i
/ɪ/ did
o
/ɑː/ dot
u
/ʌ/ cut
Notation IPA Example
ae /eɪ̯/ sundae
ee /iː/ see
ie /aɪ̯/ die
oe /oʊ̯/ toe
ue /jʊː/ cue


以上は、ごく いちぶを いんよう(あるいは転載)しただけです。

 

たんご おわり では、-ie, -oe を -i, -o で 書いてもよいとのこと。たとえば、doe, toe, soe(sew), noe(know) も go, no, so も、あり。

 

-i は /アイ/ (alibi)で あり、-y は /ィ/(body) です。

 

例外規定も いろいろ あります。それらを すべて あたまに たたきこんだ としても、たんご の ストレスの いち までは わかりません。

 

そして、align, find, wild が alien, fiend, wield と おなじ つづりになるのは まぎらわしい。

そこで、alyn, fynd, wyld のように かけるような ルールが あればと おもいます。そして、そのような改革案は、いくつか存在します。

  

 

---American Literacy Council が 推進・推奨する 発音どおりの 表記法。ただし、伝統的つづり字に 対する 若干の 妥協が みられます。

  • 「エイ」「イー」「アイ」「オウ」「ユー」を それぞれ ae, ee, ie, oe, ue で 表記する。ただし、語末では -ie, -oe の e を 省略してよい。(go や so は いいが、doe や toe は e をそのまま維持。)
  • /k/の音に対して c も k も みとめる。(ただし、sic, sick は両方 "sik"、scull, skull は両方 "scul" になる。)
  • /kw/の音を "q" で 表記する。
  • 名詞の 複数形の 語尾 -(e)s は、有声音・無声音の表記上の くべつを しない。
  • th の 有声音・無声音の 表記上の くべつを しない。(thigh と thy の 区別は?)
  • x の 有声音・無声音の 表記上の くべつを しない。(接頭辞 ex- は 維持される。)
  • いわゆる二重子音字は、ほとんどつかわない。ただし、all, off, 語中の -rr-, 語末の -ss などはある。

https://americanliteracy.github.io/ts/soundspel/

 

http://en.wikipedia.org/wiki/SoundSpel

 

 

https://web.archive.org/web/20070107124838/http://www.spellingsociety.org/news/pvs/pv8rondthaler.php


http://wpedia.goo.ne.jp/enwiki/SoundSpel

https://web.archive.org/web/20170605073655/https://wpedia.goo.ne.jp/enwiki/


oi「オイ」も oy「オイ」も つかう。--- coin, spoil, boy, soy, toy.

ou「アウ」も ow「アウ」も つかう。
--- out, now, how, power。aloud と alowd(allowed) の くべつ が 可能。

ただし、サウンドスペルのトランスレイター(https://americanliteracy.github.io/ts/tools/)では、foul と fowl は くべつ せず 両方 foul に なってしまう。

au「オー」も aw も つかう。--- laun(lawn), law, paw。

 

-tion は、-shon に。moeshon, pozishon.

-cian は、-shan に。majishan, muezishan.

-ic は、-ik に。majik, muezik, moezaeik.

 ちなみに、ocean は、oeshan に。mission は、mishon に。

 

concur, conquer は、concur, conker の ように くべつ。

  

サウンドスペルでは、-sion, -tion, -cian を -zhon, -shon, -shan と表記しますが、ほかの改革案では、-sion, -tion などを維持する場合があります。

 

qu/kw/ を維持する改革案もあります。

 

 

つづりじ改革案 "Lytspel"

 

 

https://www.lytspel.org/

トップページには つづり字コンバーターが あります。 

 

 

「エイ」:ai, ay

「イー」:ee, (i)

「アイ」:y, (iy)

「オウ」:oa, o

「ユー」:ue

「ユー|ウー」:ue

 

-i と -y の つかいかた が サウンドスペルとは 逆です。

前者が /ィ/ で、後者が /アイ/ です。

 

oo と uu の つかいかた が サウンドスペルとは 逆です。

 

ss が あります。

 

 

-tion も -sion も、そのまま。

 

chilled が child に なってしまう。そうならないためには、二重子音字と過去形の接尾辞を維持すればいい。

 

child は chyld に なります。

 

詳細については、ここでは割愛します。

 

 

つづりじ改革案 "Regspel"

 

おと と つづり が 1たい1 の たいおう で ない かいかくあん も あります。


"Regspel" も、その ひとつ。

 

みじかい a, e, i, o, u の おと は、pat, pet, pit, pot, putt の ような つかいかた で いいとおもいます。

 

ながい a-e, e-e, i-e, o-e, u-e、すなわち「エイ」「イー」「アイ」「オウ」「ユー」は、つぎのように なります。"Regspel" の もっとも すばらしい ところ。

 

Regspel 書記素 IPA 単語例 Regspel での つづり
ae, ay maid, stay maed, stay
ee i: feed, lead feed, leed
ie, y island, my ieland, my
o(e) əʊ or oʊ foe, flow, banjo fo(e), flo(e), banjo(e)
ue, ew, eu ju: union, stew, Europe uenion, stew, Europ

http://spellingsociety.org/uploaded_views/pv15linstead-personal-view-1419715177.pdf より、部分引用し、一部改変。

 

この Regspel は、ae, ee, ie, oe, ue いっぺんとう ではないので、find, wild は、fiend, wield に なったりせず、fynd, wyld に なります。

 

また、ae, ee, y, oe, ue いっぺんとう でもないので、iron が yern に なる おそれ も ないでしょう。

 

y の つかいかた。でだしでは、yes, yet のような つかいかた。

たんご おわり では、simply の -y も、fly, ply, sky の -y も、そのまま。

つまり、たんご おわり の -y は、つづりを みても よみかたが わからないまま と なる。ただし、かくときには、カンタン。ちなみに、うしろに -d や -s が ついても、y は そのまま。

 

はつおん の ことなる alley と ally の くべつ は、どのように なされるのか。わからないので、このまま つかってしまおうか。書記素としての -ey は、Regspel には ないだろうから、こんらん は しょうじない? むしろ、2つ の よみかた が ある 語末 の -y よりも、-ey の ほう が よみかた が わかりやすいかも。

 

つぎのような ばあい、e は しょうりゃく される。

 I(e), he(e), she(e), we(e), U(e), me(e), also in be(e) and O(e); and in the combination –o(e)ld. old, bold, cold, gold, mold, sold, told など は、そのまま。

では、bolt, colt, molt, volt など は?

 

ふくすうけい の -s は、はつおん に よって -z に かわる。なんたること。

 

th は、有声音なら th のまま、無声音なら tth あるいは tt に かわる。なんたること。

 

-tion は、-sh(u)n に かわる。-ssion も おなじ。

 

to は そのまま。too と two は、ともに too と かく。

 

through は、thru ではなく、tthroo に なってしまう。

 

 

つづりじ改革案 "Traditional Spelling Revised"

 

"Traditional Spelling Revised" では、/エイ/, /イー/, /アイ/, /オウ/, /ユー/ が、つぎのように なります。("TSR" では、分割ダイグラフを ふくみます。)

 

TSR 書記素 IPA 単語例 メモ
-aCe, ai, ay, (ei), eigh, ey
-aCCe-
face, laid, stay,  (vein), neigh, they
danger*, paste*

ei がはずされ、かわりに ey が追加。

bass /beis/ は?
break, great, steak は、braik, grait, staik に。
reign, rein, straight は どうなる?

-eCe, ee, ea 
e
i: scene, feed, lead

i を /i:/ で 発音する machine, police などは、外来語あつかい ならば そのまま。ルールどおりに かきなおせば、"masheen", "poleess" に。


そして、be, he, me, she, we などは サイトワードあつかい。
-iCe, ie, y, -ye, -uy, -igh 
-iCC
side, die, why, dye, buy, sigh
mild*, mind*, sign*
aye, eye の あつかい は ?
climb, hi, height, sleight, hype, thyme, type などは どうなる?(style は "styl" に なるらしい。)
-oCe, -o, -oe, oa
-oCC
əʊ or oʊ bone, banjo, floe, moan
old*, folk*, post*
beau, gauche などの "eau" や "au" などは、外来語なので、おそらく そのまま。
-uCe, -ue, u, ew, eu ju: tune, due, unit, few, Europe

beauty は "buety" に かわる。

view は "vew" に かわる。

 

それぞれの おと に たいする つづりかた の 許容範囲を さだめたのは いいが、そこから はずれたものを どのように かきなおすのか に ついて の ルールが あまり はっきりしない。

かつてのルール: http://spellingsociety.org/uploaded_views/traditional-spelling-revised-personal-view.pdf

 

TSRフルガイダンス(2022.06.): 

http://spellingsociety.org/uploaded_iesc/tsrfullguidance0622-misc.pdf

 

COMPLETE GUIDANCE(2023.10.):

https://www.spellingsociety.org/uploaded_iesc/tsrcompleteguidanceoct23-misc.pdf

 

 

多様性があって ふくざつな つづりと発音の対応

 

げんじつせかい の 英語の つづり と はつおん の かんけい は、もっと ふくざつ です。

IPA Notation Examples
/æ/
a
ai
au
sad, sat
plaid
laugh
/ɛ/
e
ea
eo
ei
ie
ai
ay
set
weapon
jeopardy
heifer
friend
said
says
/ɪ/
i
-iCe
ie
ee
e
o
u
y
did
give, live(v.)
sieve
(been), breeches
pretty
women
busy
system
/ɑː/
o
a
ach
ou
eau
dot
watch
yacht
cough
bureaucracy
/ʌ/
u
o
ou
oo
a
cut, sun
front, son
couple, double
blood, flood
Shakti
IPA Notation Examples
/eɪ̯/ -aCe
ae
ai
aig
aigh
ei
eig
eigh
-ay
-ey
au
e
ea
ee
eg
er
et
make, same
maelstrom, sundae
faint, mail, rain
campaign
straight
feint, seine
feign, reign
eight, sleigh, weight
may, pray, say
hey, prey, they
gauge
mesa
break, great, yea
matinee
thegn
dossier
ballet
/iː/ -eCe
ee
ea
ei
-ie
ae
oe
eo
-ey
(-ay)
-y
-i
scene, these
see, cheese
sea, team
ceiling, receive
believe, shield
aeon
subpoena
people
key
(quay)
happy, lucky
kiwi, ski
/aɪ̯/ -iCe
-ie
-i
-ig-
-igh
-eigh
-yCe
-ye
-y
-uy
line, nice
die, pie
hi, pi
align, sign
high, sigh, slight
height, sleight
hype, type
bye, dye
by, dry, sky
buy, guy
/oʊ̯/ -oCe
oe
oa
o
oh
ow
ou
ough
au
eau
ew
rose, smoke, sole
doe, toe
goal, soap
go, no, so
doh, oh, ohm
own, show, slow
soul
dough, though
gauche, mauve
beau, plateau
sew
/jʊː/ -uCe
ue
eu
ew
-ugh
-ug-
-u
ui
ou
cute, duke
cue, due
deuce, neutral
dew, few, hew
Hugh
impugn
mu
fruit, juice, nuisance
Houston



うえのような つづり と はつおん の こみいった 対応かんけい の うち、きそく的な ものを のこし、ふきそく な ものを しゅうせい する だけ でも、英語は かなり やさしい もの に なるはずなのです。

 

 

 ae, ee, ie, oe, ue の一貫性 vs 実際の英語の綴りと発音の対応

 

 

 



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