英語のつづり字改革案は、部分的修正だけなのが いいか、表音主義に ちかいほうが いいか。
穏健な部分的修正だけの場合は、いままでと さほど かわらないので、よみにくくなるような こと は ほとんど ありませんが、根本的な解決 には なりません。
表音主義のスペリング改革は、体系的であり、つづり と 発音 の 対応 が 単純なのですが、いままで おぼえたもの は ほとんど おぼえなおし と なります。ルールは カンタンな はず なのに、なれるまで が たいへん です。
発音が わからなければ 発音どおりに かけない。
あいまい母音の つづり は もとのつづりをしらなければ かけない。
あいまい母音の つづり を 単純化する ばあい、ルールは?
体系性を持たせつつ、表音主義をさける穏健な改革案が のぞましい。
このページでは、ラディカルすぎる表音主義のつづり字改革案 や あたらしいもじをつかうタイプのつづり字改革案 に ついては、あつかいません。また、部分的修正だけの穏健派についても あつかわないことにします。
ここでは、「部分的修正」か「表音主義」か ではなく、「分割ダイグラフ」を つかうのか・つかわないのか で 分類します。
A:「分割ダイグラフ」(母音字+子音字+e)をそのままつかうタイプの穏健派。二重子音字(latter, supper)を容認。
B:「分割ダイグラフ」の 母音字と e をくっつけて、ただの「ダイグラフ」(2字1音)にしてしまう、表音主義に近いタイプ。二重子音字をあまりつかわないので、それによって混乱が発生する場合があります。(たとえば、supper が super に なってしまう、など。)
AとBをくみあわせれば、いいのではないか。「分割ダイグラフ」をつかわないとしても、二重子音字は維持する。これだけで新旧つづり字の混乱が軽減されます。-(e)d も、-(e)s も、そのほかの接尾辞(たとえば -tion, -ture など)も、そのままでいい。妥協的折衷案です。
ところで、「分割ダイグラフ」は、英語では "split digraphs"(分割された2字1音つづり)という用語です。フォニックスのルールの説明に出てきます。
分割ダイグラフとは何ですか? |マジック「e」 |フォニックス
https://www.youtube.com/watch?v=S-DHdrOrUeY
https://www.youtube.com/results?search_query=split+digraph
https://www.theschoolrun.com/what-magic-e-or-split-digraph
https://www.ontrackreading.com/perspectives/explaining-split-vowel-digraphs
1つは、伝統重視のつづり字改革案です。「長音」(エイ、イー、アイ、オウ、ユー)をあらわすときに、母音字+子音字+e のパターン、つまり「分割ダイグラフ」をそのままつかいます。2つの母音字で1つの音をあらわす際、あいだに子音字が割り込む場合をさします。
◎a⏝e で /ei/ の音 --- game, make, behave
◎e⏝e で /i:/ の音 --- scene, theme, extreme
◎i⏝e で /ai/ の音 --- bite, nice, suffice
◎o⏝e で /ou/ の音 --- home, joke, propose
◎u⏝e で /ju:/ の音 --- cute, use, pollute
あてはまらない場合は e を削除します。
hav(e), giv(e), climat(e), engin(e), medicin(e), purpos(e)
ただし、この方法は万能ではありません。
chance, hospice, lettuce, menace, office などでは e の削除が不可能。
machine, marine, police などでも、e を削除するだけでは無理がでてくる。
glove, love, lose, move, prove などでは、母音のつづりをかえることになる。
そして、recipe の e のように発音する場合は別の方法が必要。
「短音」をあらわすときは、母音字+子音字 で 単語がおわる(bat, bet, bit, bot, but)、あるいは、語中では「二重子音字」をつかって(batter, better, bitter, potter, butter)直前の母音字が「短音」であることをしめすルールをてっていさせます。
しかし、はなれたところに e をつけて「長音」をあらわしたり(bathe, waste)、子音字を二重にして直前の母音字のよみかたが「みじかい」ことをあらわす(diner vs dinner, super vs supper)など、かなり不自然です。母音の音をあらわすのは母音字つづりであるべきです。
(ただし、二重子音字をなくすと混乱をまねく場合もあります。)
もう1つは、「分割二重音字」(a_e, e_e, i_e, o_e, u_e)の 2つの母音字をくっつけて、ただの「二重音字」(ae, ee, ie, oe, ue)に かえて、それにともない「二重子音字」のつかいかたをひかえめにするタイプの(体系的な)つづり字改革案です。
「長音」についていえば、ae, ee, ie, oe, ue を /エイ/、/イー/、/アイ/、/オウ/、/ユー/ に あまねく あてはめようとするか、あるいは、語末・音節末などで、いままでのつづりをすこしのこすかどうかについては、改革案によって ことなります。cake, name を caek, naem にするが、day, pay などをそのままにしたり、bee, tree などとは べつに be, he, me, she, we などをそのままにしたり、などです。lie, pie, sie(sigh) も hi, pi, thi(thy, thigh) も あります。doe, toe も go, no, so も ある ということです。
「分割ダイグラフ」の使用をやめる際に ae, ee, ie, oe, ue が理解しやすいとしても、そこに拘泥する必要はないのかもしれません。
/エイ/の音は、SoundSpel では "ae" ですが、ほかの改革案では "ai", "-ay" などをつかっていたりします。くみあわせて、ae, ai, -ay を容認して、a_e をさけるという方法も かんがえられます。"sail" と "sael"(sale) の区別が可能になります。
/オウ/の音は、SoundSpel では "oe" と "-o" ですが、ほかの改革案では "oa" と "-o" だったりします。くみあわせて、oa, oe, -o を容認して、o_e をさけるという方法も かんがえられます。"loan" と "loen"(lone) の区別が可能になります。
ae, ee, ie, oe, ue (など)で「長音」を、(子音字の前で)a, e, i, o, u で「短音」を あらわす タイプの つづり字改革案では、二重子音字をなくして、つづり が みじかくなることをアピールします。ところが、二重子音字をなくしてしまうと、dinner が diner に なったり、supper が super に なったりします。あたらしいシステム内部では うまく機能するのかもしれませんが、いままでのつづりとは混乱をひきおこします。
新旧のつづりの混乱をさけるためには、eではじまる接尾辞のまえ、-ing, -ish, -y, -a, -o などのまえでは、二重子音字を"そのままにしておいたほうがいい"と(IMHO)おもっています。(attic, summit などは?)
ただし、body, city, finish, pity, punish, study, very などを boddy, citty, finnish, pitty, punnish, studdy, verry のようにつづりをかえるかどうかについては、保留です。
英語の つづり は ふくざつ です。だからこそ つづり字改革運動が あります。
2020ねん、イングリッシュスペリングソサエティーという団体では、たくさん ある つづり字改革案の なかから 6つに しぼりこんで、どれかを えらぼうという こころみを おこなっていました。
http://spellingsociety.org/international-english-spelling-congress
6つの改革案を実例で比較
https://i.redd.it/jibodqdx13a51.jpg
Lytspel と SoundSpel には、つづり字コンバーターが ありますが、くわしくふれません。
ReadScript と RichSpel-Short については、あつかいません。
うえでみた6つの改革案のうち、えらばれたのは、"Traditional Spelling Revised" でした。(2021.4.12.発表)
TSRは、「分割ダイグラフ」も「二重子音字」も つかうのですが、二重子音字のルールを徹底させすぎてしまいました。controversy を "controvverssy" の よう に 表記することに なってしまいます。
https://www.spellingsociety.org/uploaded_iesc/3-4000-common-words-alphabetic-misc.pdf
わざわざ、controvverssy (2nd syllable stressed) の ように 述べてありました。イギリス英語とアメリカ英語とでストレスが異なるというのに。
use(名詞), close(形容詞), dose が、uess, cloass, doass など の よう に なります。
(動詞の use, 動詞の close は、そのまま「分割ダイグラフ」を維持。)
(ついでに、上記リンク先の単語リストでは、bloody や flood の つづりかえ も おかしい。/ʌ/ と /ʊ/ の 混乱でしょうか。)
/ʊ/ と /u:/ の区別も、/u:/ と /ju:/ の区別も、徹底させます。(ただし、"new" は維持。)
liar, lion, trial が、lyar, lyon, tryal に なったりします。だが、wild, find などは、wyld, fynd に ならず、そのままです。
hour, write の読まない文字を削除する際、'our, 'rite などとアポストロフィーをつけて同音語と区別。かえって、ややこしい。
いちばん現実的で伝統重視のつづり字改革案であるとおもっていただけに、とても残念です。
表音主義の改革案は、「分割ダイグラフ」をつかわず、べつのやりかたで /エイ/、/イー/、/アイ/、/オウ/、/ユー/ をあらわします。
ただし、文字と発音が厳密に1対1で対応しているわけではありません。
SoundSpel は、いわゆる「長い母音」を ae, ee, ie, oe, ue で表記します。語末では、-i, -o も許容されます。
/エイ/:ae
/イー/:ee
/アイ/:ie, -i
/オウ/:oe, -o
/ユー/:ue
ダイグラフ(2字1音つづり)である ae, ee, ie, oe, ue の、それぞれの2つの母音字のあいだに子音字をいれたのが、母音字+子音字+サイレントe、いわゆる「分割ダイグラフ」です。SoundSpel では、つかわれません。ほかの表音主義のつづり字改革案でも つかわれません。
Lytspel の場合は、つぎのとおり。( https://www.lytspel.org/overview )
/エイ/:ai, ay
/イー/:ee, i
/アイ/:y, (iy)
/オウ/:oa, o
/ユー/:ue
/ユー|ウー/:ue
ちなみに、«uu» が /u:/ で、«oo» が /U/(as in «book») なので、SoundSpel とは正反対。
RichSpel-Long の場合は、つぎのとおり。( https://www.spellingsociety.org/uploaded_iesc/summary-version--richspel-long-misc.pdf )
/エイ/:ai(maid), ay(day, hayloft)
/イー/:ee(feed)
/アイ/:ie(pie)
/オウ/:oa(float), o(ago)
/ユー/:ue(cue), yoo(yoo = you, ewe)
ちなみに、oo /u:/ food、uu /U/ puut [put] なので、SoundSpel と一致。
Lytspel, RichSpel-Long, Traditional Spelling Revised では、過去形・過去分詞形の -(e)d を "ほぼ" たもっています。SoundSpel では、発音どおりに表記します。(過去形・過去分詞形の -ed が発音どおりになるのも、かえってむずかしい。stopped が stopt に なったりします。みてすぐわかる -ed の つよみ が なくなります。)
Lytspel, Traditional Spelling Revised では、"qu" が /kw/ をあらわします。
RichSpel-Long, SoundSpel では、"q" が /kw/ をあらわします。
Lytspel, RichSpel-Long, Traditional Spelling Revised では、-sion, -tion が つかわれます。SoundSpel では、-zhon, -shon が つかわれます。
Lytspel では、th を発音に応じて "th" と "dh" で表記を区別しますが、頻出語と"-ther"のときは "th" を維持するようになりました。RichSpel-Long では、th を発音に応じて "thh"(thhin) と "th"(that) で 表記を区別。SoundSpel, Traditional Spelling Revised では、th を 無声音でも 有声音でも 維持。
サウンドスペルは、「分割二重音字」(a-e, e-e, i-e, o-e, u-e)をつかわず、「二重音字」(ae, ee, ie, oe, ue)をあまねく「長音」(エイ、イー、アイ、オウ、ユー)に あてはめ、それにともない「二重子音字」をほとんどつかわないタイプの(体系的な)つづり字改革案です。
(母音字が2つ ならぶとき、1番目の母音字を名前読みにして、2番目を読まないという「礼儀正しい母音字のルール」との 親和性が 高そうに みえます。)
公式サイトでは、サウンドスペル の ルール が つぎのように 単純化されて しめされています。まずは 5つの ルールから はじめます。
SoundSpel (americanliteracy.github.io)
SOUNDSPEL IS BASED ON SIMPLE RULES
- Short vowels are a single letter, as in: sat, set, did, dot, cut
- Long vowels are followed immediately by an e, as in: sundae, see, die, toe, cue
- No silent letters
- Most double letters are removed
- Consonants such as f, s, j have a consistent, single sound and spelling
1.「みじかい」a, e, i, o, u は、1つの もじ で つづる。
2.「ながい」ae, ee, ie, oe, ue は、じかに e を くっつける。(マジック e よ、さらば!)
3.よまない もじ は かかない。(knot, hour が not, our と おなじ つづり。)
4.たいていの二重子音字は、つかわなくなる。(account, supper が、acount, super に。)
5.f, s, j のような子音字は、一貫して 1つずつの 音 と つづり。
たった5つのルールだけ のせてありましたが、これだけで すむ はず が ありません。
実際のルールのこまかいところについては、つぎのとおり。
https://reason-first.blogspot.com/2023/04/a-logical-spelling-to-version.html
https://reason-first.blogspot.com/2023/04/a-lojikal-speling.html
その一部をここに引用。かならずしも つづりと発音を1対1に対応させているわけではない。
oo as heard in ooze, moon, zoo, cruise, true, flu
uu as heard in good, should, bush, put, foot, book
oi /oy as heard in oil, boil, noise / loyal, boy
ou /ow as in out, mouth, sounding / how, cows, power
au /aw as in auto, fraud, caucus / saw, sawing, lawyer
旧来の つづりを サウンドスペルに変換してくれるページが あります。
https://americanliteracy.github.io/ts/tools/ (2024.1.現在、使用不能)
語数80,000をこえる辞書もあります。(ひだりがわ伝統的つづり字・みぎがわサウンドスペル)
https://replit.com/@markpetersen3/embededSpellingTranslator#twoColSoundSpel.csv
SoundSpel WurdList
https://docs.google.com/spreadsheets/d/1MxcI4qIKu0fh4yI4yIUTYOT2hAzSIebgC1pWfGhR-Bg/edit#gid=1708553670
1番目のルール補足・個人的見解。
「短音」をしめす a, e, i, o, u は、ストレスのない「シュワー」にも つかわれる。
onion, other, son などの o は維持してほしい。
2番目のルール補足・個人的見解。
「長音」をしめす ae, ee, ie, oe, ue の うち、-ie, -oe は 語末で -i, -o も。
pi と pie の区別は容認。so は維持、sew は "soe" に。no は維持、know は "noe" に。
by, my は、bi, mi に なります。語末の -y は /-i/ のみ。これについては、by, my, sky などを維持してほしい。buy, guy, eye, aye, I なども。
find, mine, wild が、fiend, mien, wield に なってしまうので、混乱が生じる。
3番目のルール補足・個人的見解。
"qu"/kw/の "u" をはぶいて、quest, quiz を "qest", "qiz" などと書くようなことは避けたい。
knot, hour, wring, halve, tarot, debut などにおける「よまない文字」を維持しておきたい。
"the" の "e" をはぶくことなどない。
"aide" の "e" にも存在意義があるとおもう。
4番目のルール補足・個人的見解。
本家サイトでは、2021年ごろのリニューアルあたりから、ss を かなり つかうように なってきました。license, once, since を liesenss, wunss, sinss などと かきます。そして、ll に ついては、all だけをそのままにして、ball, call, fall, tall, wall を baul, caul, faul, taul, waul のように書きます。語中の rr を容認します(carry, cherry, horror)。off も容認。
せっかくなので、dinner, supper, matter などにおけるような二重子音字を容認してほしい。
5番目のルール補足・個人的見解。(focus, jog)
f の音は f の文字。elephant の ph や tough の gh は、f の文字で おきかえます。
c の文字は /k/ だけをあらわします。cat, cost, cut. (keep, kid などの k は、そのまま。)
s の文字は /s/ だけをあらわします。city の c は s に おきかえられて sity に。
(city のつづりをそのままにしたい。cent, scent, sent の区別を維持したい。since の -ce を維持したい。)
j の文字は j の音だけをあらわします。 giraffe は、jiraf に。gym は、jim に。
g の文字は /g/ だけをあらわします。get, gap.(jeans と genes のような区別を希望。)
つづり と 発音 の 一対一の 対応 には、限界 が あります。
サウンドスペルでさえ、know(noe) と no の 区別 や for と four(foer) の 区別が あるくらいです。
公式サイトの使用例では、deer と dear の区別を容認しているかのような文さえありました。
https://americanliteracy.github.io/samples/PeterRabit.htm
'Now mi dears,' sed oeld Mrs. Rabit wun morning, 'U mae go into th feelds or doun th laen, but don't go into Mr. McGregor's garden: yuur Faather had an aksident thaer; he wuz puut in a pie bi Mrs. McGregor.'
表音主義に徹することができなかったようです。
かえなくてもいいところ は そのままにして、不規則な ところ を どれだけ なおせるのか が 重要 です。
(city を sity と かいたり、supper を super と かいたり、queen を qeen とか kween とか かいたり、the を th に かえたりする、など、ザンネンな改革は いかがなものか。)
完全に一貫性をもとめるのではなく、いくらか妥協が必要です。そのような改革案も あります。
・-(e)d, -(e)s を そのままにする。
・th や x を そのままにする。this, think, exit, exam.
・soft C や soft G を そのままにする。(cell, cent, gene, gym)
・/k/ に c, k を みとめる。(ck をみとめるかどうか。)
・qu = /kw/ を みとめる。quest, quiz.(not "qest" or "qiz")
・でだしのよまないもじを のこすほうがいい場合がある。(hour, knot, know, write)
・-all, -rr-, -ss, off などを みとめる。
・語末の二重子音字をみとめる。add, butt, inn, putt.
・oo に「ウー」と「ウ」を みとめる。good, food.
・/エイ/の音に ae だけでなく -ay も みとめる。
・/オイ/の音に oi, oy の両方をみとめる。
・/アウ/の音に ou, ow の両方をみとめる。
・/オー/の音に au, aw の両方をみとめる。"all" をそのままにする。
・-sion, -tion, -cian などを みとめる。
・-sure や -ture などを そのままにする。
-sion, -tion を -zhon, -shon のように くべつ しようとしてみても おそらく ムダです。発音カンケイなく -shon を つかうように なってしまうので、表音性 が 劣化 します。"confushon"(confusion) とか "vershon"(version) とか やってしまいます。(英国式では "sh" の発音で通用します。)さらにいえば、location を "locashon" と かく ひと は いますが、そのような ひと たち は "loecaeshon" などとは かきたがらないでしょう。
「表音主義」寄りの改革案は、同音異義語のつづりの区別をしない傾向がありますが、つぎのような区別は、あってほしい。
ad, add
aed(ade), aid, aide
be, bee
but, butt
foul, fowl
hour, our
in, inn
knot, not
peece(piece), peace
pi, pie
see, sea
step, steppe
母音字+子音字+e を 推進するスペル単純化の改革案も、こまりものです。night を nite に かえるだけでなく、mail, sail, tail を male, sale, tale と おなじスペルにしたり、bight, bite, byte, might を bite, bite, bite, mite に かえてしまう。まよわずよめる つづりじを かえるのは、かきかたの単純化のためなのでしょう。
母音字+子音字+e をつかわない表音主義の改革案は、母音の発音を すべて母音つづりで しめせるので、(たとえば)ae, ee, ie, oe, ue で「長音」、(子音字の前では)a, e, i, o, u で「短音」です。母音のスペルだけで「長音」「短音」の くべつ が できるので、二重子音字に たよることが ほぼ なくなります。すると、二重子音字のたすけをかりて直前の母音字の読みかたが「短音」だというふうにしめすやりかたを さけたがる傾向があります。なので、bitter が biter に、comma が coma に、latter が later に、matter が mater に、supper が super に なってしまいます。過渡期の混乱は確実です。それをふせぐためには、二重子音字を いくらか のこしておいたほうがいい。(i.t.a.は二重子音字をのこしていました。) では、どのくらい のこしておくのか。そのまま放置では、一貫性のないままになります。しかし、母音字+子音字+e を温存する穏健派の改革案が 二重子音字の用法に一貫性をもたせようとすると、annalize, anallisis, analittic みたいなことに・・・。(TSRには、そのような傾向があります。規則化英語では、二重子音字の修正は最低限でした。)
本当に必要なのは、night を nite に かえるような 簡略化 でもなく、「カットスペリング」のように はぶける文字をかたっぱし から カットするような 単純な "改革案" でもなく、もっと現実的な改革案です。つづり字記号も 特殊文字も つかわないことが のぞましい。
ここに あげた つづり字改革案の いいところをくみあわせたような改革案があれば このましい と、おもいます。かきかたを たんじゅんにするのではなく、よみかた が わかるような つづり字改革。ただし、a と aa の くべつ、oo と uu の くべつ、th と dh の くべつ、s と z の くべつ、-ed と -t の くべつ、など は、かえって つづりを むずかしくするだけのように おもわれるので、できれば さけたい。そして、-ture を、のこしてほしい(sepulcher, sepulture)。cell と sell の くべつ、jeans と genes の くべつ も。
"Regularized Inglish"(規則化英語) は、ルール が ふくざつ すぎました。
knight の k も gh も そのまま。
know は knoe に なります。
rite, right, write の くべつ は のこります。
マジック e のパターンを容認するが、推進しない。
でだし の よまない もじ を そのまま のこす場合が あります。規則性があって ルールどおりに まよわず よめる 場合に かぎられるようです。なので、knot や write の k, w はそのままですが、hour の h は、カットします。
二重子音字の ルールを ながい つづり の 単語 には むりやり あてはめないのは、すばらしい。
規則化英語では、ph/f/ を f の文字で表記します。s と z の区別を徹底させたり、語頭以外で th と dh の区別があったりしました。過去形・過去分詞形の -ed が発音どおりになるのも、かえってむずかしい。stopped が stopt に なったりします。みてすぐわかる -ed の つよみ が なくなります。(ただし、ウィキペディアの規則化英語では、"-ed" がほとんどそのまま維持。)
表音主義のつづり字改革案では、それぞれの音素に対応する書記素のパターンを一覧表にまとめ、(ほぼ)すべての単語をそれに一致させるようにスペリングを変える。
Traditional Spelling Revised では、それぞれの音素に対応する書記素のパターンを一覧表にまとめ、そこから逸脱したものを修正する。マジックeのパターンも二重子音字も使われる。
英語本来の綴りと発音のルールの ふくざつさを そのまま ふまえつつ、こまかいところで いろいろ つづり が かわります。
でだし の よまない もじ は おとします。
二重子音字 の ルール が むごい。(annalyze, anallisis, analittic ?)
TSRみじかいまとめ
https://spellingsociety.org/uploaded_iesc/a009r6wrk-linstead-s11ugry7-traditional-spelling-revised-thumbnail-misc.pdf
TSRルールなど
https://spellingsociety.org/uploaded_iesc/summary-version--traditional-spelling-revised-misc.pdf
2ページ目から 音と文字の表記一覧 あり。一部を和訳して引用。
Vowel sounds
番号 | 音素 | 書記素 | 備考 |
i | - |
みじかい母音(/{/, /e/, /I/ /Q/, /V/)は、 pan, pen, pin, pond, pun などにおけるのと同じ母音字で表記。 |
|
ii | eI | face, laid, stay, neigh, they | |
iii | i: | scene, feed, lead | "ie" は、この音を あらわさない。"believe"は "beleev"に なる。 |
iv | aI | side, die, why, dye, buy, sigh | |
v | @U | bone, banjo, floe, moan | "ow" は、この音には つかわれない。たとえば、"low" は "lo" に なる。 |
vi | ju: | tune, due, usual, few, Europe | "eu" は、ギリシャ語由来の単語にのみ つかわれる。 |
穏健派の 改革案 なのに、発音に 対応する 許容範囲の つづり の 一覧表 が ある。
不規則でも類推のきく つづりを サブグループとして そのままにする。
サイトワードを たくさん しめす。
よぶん な もじ を さくじょ する ルールで、動詞の過去形・過去分詞形の -ed を そのままにすると かいてある。
night, sign の gh や g は そのまま。
gh /f/ は f, ff に かわるのに、ph /f/ は そのまま。
psalm, psychosis の つづり は そのまま。(ルール変更により ps- の p は カット。)
hour が 'our になる。アポストロフィーは、"our" と区別するため。
know が 'no になる。アポストロフィーは、"no" と区別するため。
blue, through が、"bloo", "throo"(thruではない) になる。/ju:/ と /u:/ の区別をするため。
"RI" も "TSR" も、りょうほう とも、よまないもじを すべて さくじょ するわけではない。そして、マジック e を むやみに おしすすめたりせず、2もじ・3もじ の 母音つづりを なおすのが、すばらしい。これらを ルール4つの「つづり字改革案」に とりいれて、あらたに つづり字改革案 に してしまうことが できたら、かなり すばらしいこと と おもいます。
もともとは スペリングソサエティーの「ハウススタイル」として かんがえだされたもの。すくない ルール で できるだけ ひろい はんい の つづり の かきかた を 単純化 しようとする こころみ。(読みかた が) 規則的な つづり まで えいきょうを うける ばあい が ある。そして、不規則な つづり が かずおおく そのまま のこる。たとえば、broad, comb, find, most, move, one, own, sew, shoe, water, who, yea などである。4つのルール では、すべてを 解決 できる わけ では ない。
"よまない もじ" ではなく、"よぶんな もじ"を はつおん が ただしく しめせる 範囲内で さくじょ する。つまり、「発音に関係のない文字」を「すべて さくじょ」できるわけではない。(psalm の p は 省略可能 だとしても、l は そのまま のこると おもわれる。Sam とは 発音が ことなるので くべつ が ひつよう。who の w は そのまま のこる。w を おとしても ただしい はつおん が しめせないからである。ただし、know は "no" と おなじ はつおん なので、おなじ つづり に なる。)
limb は lim に なり、climb は clime に なり、bomb は bom に なる。b を はぶく。
comb, tomb, womb は、 b をはぶくだけでは ただしい はつおんを しめせないので、そのまま。
ルール1で、よぶんな もじを はぶくときに つづりを微調整してもよいことにすれば、coam, toom, woom も 可能になる。know と no の くべつをしたければ、でだし の よまない もじを のこす ルールに すればいい。ad, add, but, butt, in, inn の くべつを のこしたいなら、たんご おわり の 二重子音字をみとめればいい。ck, tch, wh, -ed なども そのままがいい(luck, match, whose, where, banned)。内容語の3文字ルールに かんがみて、pie, tie, doe, toe, blue, true などの e は のこすべし。
この つづり字改革案に おいては、短音の a, e, i, o, u に関するルールにより、
pretty busy は pritty bisy と 書くことに なる。
some も sum も sum になり、son も sun も sun に なる。onion が unnion に なってしまう。このようなことを ふせぐためには、ルール2で、Short U は u でも o でも みとめてしまえばいい。("Traditional Spelling Revised" には、そのようなところがある。son と sun の くべつ も のこるかもしれない。)
break, great, steak, mail, sail, tail は、それぞれ
brake, grate, stake, male, sale, tale と おなじ つづり に なる。
(ルール7つの改革案では、break, great, steak が braik, grait, staik に なる。mail, sail, tail は、そのまま。)ルール3は、マジック e の 拡大・推進を ひかえて、ダイグラフ(2字1音つづり)・トライグラフ(3字1音つづり)の 修正を すべきだろう。
deign, feign, reign を dane, fane, rane と 書く。
(ルール7つの改革案では、dein, fein, rein 。)
rain も rein も "rane" に なる。("ルール7つの" や "TSR" では、そのまま。)
height, knight, night, sight, type は、それぞれ
hite, nite, nite, site, tipe に なる。
diesel, easy, media, people, seize, ski は、それぞれ
deesel, eesy, meedia, peeple, seez, skee に なる。
f の音を /f/ で 表記する と いう ルール に より、
cough を cof と書いたり、enough を enuf と 書いたりする。
profit は proffit に なり、prophet は proffet に なる。
「規則化英語」では、つづりのパターンに対応するよみかたをきめて、そこから逸脱した例外を修正する。マジックeのパターンも二重子音字も つかわれるが、推進は されない。
基本的な単語も ルールどおりに つづりをかえる。
th は、語頭以外では、th と dh の くべつをする。(ウィキペディアの規則化英語では、ことなる。)
動詞の過去形の語尾は、発音のとおりに表記する。 (ウィキペディアの規則化英語では、ことなる。)
Traditional Spelling Revised では、それぞれの音素に対応する書記素のパターンを一覧表にまとめ、そこから逸脱したものを修正する。分割ダイグラフ(マジック e の パターン)も 二重子音字も つかわれる。
th は、無声音でも有声音でも そのまま。
動詞の過去形の語尾は、そのまま。
短音は a, e, i, o, u で 表記。ただし、一定数の例外(any, many, other, some)をみとめる。
長音は マジック e のほかに数種類のパターンで表記。main, mane, they, way, weigh, by, bye, buy, pie, right, rite など。同音異綴異義語の区別はかなり維持される。
/ju:/, /u:/, /U/ の区別には、こだわる。
ただし、new は、/nju:/も /nu:/も、そのまま。
"super" は、"u" をそのままにする。("oo" に しない。)
"e" は、直前の母音が短いときはカットする。
live(動詞)→ "liv"(形容詞の "live" との区別のため)、love → luv.
("-ore" の "e" は、そのまま のこすことに なりました。)
よまない g は、sign, benign などでは のこるが、gnash の g はカット。
よまない gh は のこる(night, thought)。ただし、through は (thru ではなく) throo に。
/f/ の gh は、ff になる(coff, enuff, laff)。
/f/ の ph は、そのまま(phone)。
語中の二重子音字は、ストレスのある短い母音の直後で使う(dinner, supper)。(ll, ff, ss などは語末でも使われる。)
qu, tch, th, x, -(e)d, -(e)s, -sion, -tion, -sure, -ture などは、そのまま。
接尾辞をおおむね維持。
不規則でも類推の有効なパターンをそのまま維持。
借用語のつづりをそのままにする。(cello, chef.)
部分的修正では 根本的解決に ならない。表音主義は なじみにくい。そして、保守主義で 英語のつづりが むずかしいままだと、学習に時間がかかり、つかいこなせる人が ふえにくい。(英語ユーザーが多数派にならないのは、いいことかもしれません。)
「短音」の a, e, i, o, u の つづり が 不規則な ばあい | OUGH や AUGH の つづり |
"ea", "ear", "eau" の つづり の よみかた | ch なのに /k/ の おと で よむ ばあい |
外部リンク(暫定) |
1908ねん せつりつ。まだまだ これから? |
「規則化英語(Regularized Inglish)」(ウィキペディア) ふきそくな つづりを きそくてきに なるように しゅうせい します。ただし、knight の よまない k や gh など は (よみかたの さまたげに ならない ので) そのまま のこります。whose が "hooze" に なったりします。 |
カナモジカイ の ホームページ かんじをつかわない。わかちがきをする。まぎらわしいことばをいいかえる。ただし、リンクさきのサイトでは、かんじを まったく つかわない ぶんしょう は、まれ です。 |
現代日本における「識字」のイデオロギーと漢字不可欠論 -漢字文化をよそに100年さきをいく点字- |
https://daydreem-beleever.jimdofree.com/
2018.11.17.たちあげる
もとのサイトは、
www.geocities.jp/yomikata_spelling/
えいたんご の よみかた : つづり と はつおん の ルール と パターン
こえ に だして よめば、単語 は おぼえやすくなる。英文を 音読すれば 英語が 身につくのだと いわれる。
しかし、英単語の よみかた が わからなければ 音読は できない。それが 原点 だった よう に おもいます。
英語は、文字と発音の関係が 複雑なので、身につけるのには 時間が かかります。じゅうぶんな時間・気力・体力などを もつ 人 たち だけ が、英語を身につけられるというわけです。
つづりが むずかしければ それだけ 時間が かかります。ゆえに、英語をつかえる人が ふえにくい。でも、そのほうが いいのかもしれません。もしも 英語をつかう人が マジョリティーに なったら、おしまい です。つかわないひとが おいつめられることになるので。
カナモジカイ の ウェブサイト
http://kanamozi.org/
かんじ を みなければ いみ が わからないような ことば は、つかわない ほう が いい。のぞまれるのは、カナモジ で かいても いみ が つたわる ことば。みみ で きいて わかりやすい ことば。
カナモジカイ は「コトバのバリアフリー」をうったえ、「漢字を使わないことを恥としない文化」の創造をめざしている(https://twitter.com/kanamozikai/status/1632246825750269953)とのこと。
もっと つかうカンジを へらしたほうがいいのでは?
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