フォニックス を 単純化 した ルール 4つ の 「つづり字改革案」

表音主義ではなく、かきかたを規則的にする

 

イギリスの「スペリングソサエティー」(The English Spelling Society)は、The Simplified Spelling Society (簡略綴り字協会) という なまえ で 1908年に 結成され、かつては 文字と発音を ほぼ一対一で むすびつけるような 表音主義の つづり字改革案(Nue Speling や New Spelling 90 など)を 提唱していました。

 

これらは、発音しない文字は 書かず、「短音」は a, e, i, o, u で 表記し、「長音」は「分割ダイグラフ」(a-e, e-e, i-e, o-e, u-e の「マジック e のパターン」)をつかわず、おもに「ダイグラフ」(2字1音つづり, 二重音字)をつかうなど、表音主義でした。子音字を二重にするようなことも ほとんど ありませんでした。

 

21世紀に なってからの スペリングソサエティーは、よぶんな文字は 省略しつつも、語中の 二重子音字は ストレスのある「短音」の すぐあと で つかって、「分割ダイグラフ」は 否定するどころか 拡大適用して、/f/ の音は "f" の文字で 書くようにして、書きかたの 簡略化を 推進するような つづり字改革案(らしきもの)を かんがえていたようです。

 

foto, hi, lo, nite, tho, thru のような、ありがちな 書きかたの 簡略化とも 合致します。

 

 

 

ルール4つのIHS から ルール多数のTSR へ

 

ここで あつかう 「ルール4つ の つづり字改革案」は、もともと、「スペリングソサエティー」が、「ハウススタイル(house style)」として かんがえていたものです。"practice what they preech" の ための 合意形成。

もともとは、ルールが いろいろ あったようです。

http://web.archive.org/web/20130309192310/http://www.spellingsociety.org/aboutsss/housestile.php

のちに、ルールを しぼりこんでいったようです。(途中経過)

http://web.archive.org/web/20061106082227/http://www.foolswisdom.com/users/sbett/house-stile.htm

 

  1. よぶんなもじをカット。
  2. 短音は a, e, i, o, u で表記。
  3. 長音は マジック e と "ee" を推進。
  4. /f/ を f の もじ で かく。


あくまで 「そしき ないぶ での かきかた に かんする とりきめ」 という こと。ウェブサイトで つかうことだって、ありえたかもしれません。じっさい、スペリングソサエティーの サイト内では、いくつかの ページで 実験的に つかわれていました。

http://web.archive.org/web/20080228232416/http://spellingsociety.org/news/media/spellingbee07.php
http://web.archive.org/web/20140403062225/http://spellingsociety.org/journals/pamflets/pamflets.php


しかし、サイトの リニューアルの際に、そのような こんせき は いっそう されました。どうやら、ていあん されていた 「ハウススタイル」は、承認されなかったようです。よって、当サイトでは、"House Stile"(あるいは "Interim House Stile")を あえて「ルール4つの つづり字改革案」として あつかうことにします。略称は、"HS" あるいは "IHS" です。

 

 

そののち、2020年には、つづり字改革案の コンテストらしきものを おこなっていました。

http://spellingsociety.org/international-english-spelling-congress

 

投票の対象だった 6つ の つづり字改革案は、いずれも マジック e を おしすすめてなどいません。表音主義の急進派 と 体系的穏健派 の あらそい です。

http://spellingsociety.org/iesc-papers

http://spellingsociety.org/uploaded_iesc/shortlisted-comparison-misc.pdf

 

2021.4.12.の発表によると、えらばれたのは "Traditional Spelling Revised" (TSR) でした。その なかみ は、ここで あつかう 「ルール4つ の つづり字改革案」 に かなり ちかいもの です。ただし、night を nite に かえたりしませんし、mail と male の くべつ も あります。by, bye, buy の くべつ も あります。そのかわり、ルールが ふくざつ です。まるで、フォニックスの おさらい の よう ですが、でだし の よまない もじ を はぶくので、フォニックスの改良型(?) っぽい です。

 

 

単純ルールのIHS と 複雑ルールのTSR

 


以下、「ルール4つ」(IHS) の がいりゃく です。(すこし おぎなってあります。)

 

0. 諸原則 --- ここでは しょうりゃく。

1. よぶんな もじを きりおとす。
ただし、bought, thought などは baut, thaut と 書く。
(二重子音字の使用削減は 明文化されず、用例で しめされる。)

2. 「短音」と二重子音字についてのルール
--- ストレスのある「短音」は a, e, i, o, u で表記し、直後の子音字を二重にするのは母音字の前か語末の -le の前。語末の子音字は二重にしないが、-all や -ull の母音字の読みかたが変則的な場合、語末の -ss、off や putt などでは 二重のまま。

3. 「長音」とマジック e と ee などについてのルール
--- マジック e のパターンは、-aCe, -iCe, -oCe では 推進し、-uCe は 容認しつつも 推進せず、/i:/ は ee だが、ストレスのないときは そのまま(athlete)。be, me, he, she, we, (the) などは そのまま。

4. /f/ の おと は f の もじ で 表記する。
--- f あるいは ff を つかう。(off 以外は、語末で f を 二重にしない。)



「よまない もじ」ではなく、「よぶんな もじ」を しょうりゃく します。

「短音」は それぞれ a, e, i, o, u で 表記し、語中の二重子音字の つかいかた に 一貫性を もたせます。

「長音」では 「マジック e のパターン」を -aCe, -iCe, -oCe で 拡大適用して ee も 推進します。

/f/ の おと は "f" の もじ で 書きます。

まよわず 読めそうな 単語の つづり も 単純化 されます。おなじ はつおん の 単語が おなじ つづり に なることが かなり あります。たとえば、マジック e を おしすすめる ルール3 に よって、mail も male も、おなじ つづり の male に なってしまいます。

 

TSR では、つづり の くべつ が かなり たもたれます。ルール は ふくざつ で、とらえどころが ありません。あえて、ルール4つ の わくぐみ に あてはめてみると、こんなふうになるかもしれません。

 

0. 注意 --- フォニックスでいう「サイトワード」のような「サインワード(Sign Words)」が すくなからず あります。さらに、ch は、よみかた が /k/ や /sh/ でも、そのまま(だったのですが、ワードリストでは character を carracter と つづりなおしていました)。

1. よぶんな もじを きりおとす。
-ed, ck, tch, wh は、そのまま。sign の g も、そのまま。よまない gh は、eight, weigh, night, bought, thought など、そのまま。bough も、そのまま? ただし、through は、thru ではなく、throo に!
(二重子音字の使用削減は、用例で しめされる。)

2. 「短音」と二重子音字についてのルール
--- ストレスのある「短音」は a, e, i, o, u で 表記し(pan, pen, pin, pond, pun)、直後の子音字を二重にするのは母音字の前か語末の -le の前。語末の二重子音字(ff, ll, ss, zz など)は みとめる。done, some, other など、そのまま。

3. 「長音」と "oo" の 許容範囲をさだめて、不規則なものだけ修正。
--- マジック e のパターンは、容認しつつも 推進せず。

Long A --- face, laid, stay, neigh, they

Long E --- scene, feed, lead
be, me, he, she, we, (the) なども そのまま。

Long I --- side, die, why, dye, buy, sigh
buy, by, bye の くべつ が のこる。sight と site の くべつ も。

Long O --- bone, banjo, floe, moan
( -ow- は /ou/ の おと には つかわない。low の つづり は "loe" に かわる。show は "sho" に。)

Long U --- tune, due, usual, few, Europe

TSRでは、Long U, Long OO, Short OO の くべつを きっちりおこなうが、やめるべき。

 

4. /f/ の おと は f の もじ で 表記する。ph /f/ は、そのまま。
--- gh /f/ には、f あるいは ff を つかう。(off 以外でも、語末で f を 二重にする。)

 

TSR も、IHS と おなじで、でだし の よまない もじを カットします。よって、hour と our が おなじ つづり に なってしまいます。TSR では、くべつ の ため に、'our と かいてもいいのではないか、という はなし が でてきますが、アポストロフィを つかうくらいなら、よまない h を のこしたほうが まし。また、whole が 'hole に なるようです。そのほかの wh は、そのまま。

 

 

スペリングソサエティー本家「ハウススタイル」

--- 諸原則と4つのルール

 

2007年当時での「ハウススタイル」は、核 と なる ルール が 4つ で、補足説明 が つきます。

諸原則 と 4つのルール の 内容 は つぎのとおり です。ただしい 発音を あらわせる 範囲内で つづり字を 規則化します。単純そうに みえて、実際には 単純ではありません。

原文に忠実な直訳は 断念せざるをえませんでした。内容は そのままに しつつ、書きかた を 多少 変更しておきます。

http://groups.yahoo.com/neo/groups/spellingreform/conversations/topics/211

 

当時のルール(原文)は、リンクさき に のっていましたが、2019.12.14.以降は ウェブ上 から 削除され、閲覧できなくなりました。

つぎの リンクさき で 原文 の 引用 を さがしてください。

 

スペリングソサエティーのルール4つの「ハウススタイル」

 

 

諸原則(PRINCIPLES)

a) いかなる おもだった 辞書に おいて も みいだせる つづり の うちで もっとも みじかく、もっとも 表音的な つづりを つかう。

b) 単語の発音が 標準英語と一般米語とで ことなる ばあい、その はつおん が ことなる 部分の つづりは そのままとする。e.g. 'schedule', 'missile'. これは また 部分的不一致にも 適用される。('arid', not 'arrid', 'was', not 'wos' or 'wus').

解説一部省略。2つの ことなる 方言の はつおんを 同時に 1つの つづり で あらわすことはできない。単語の つづりが 英語の 重要な 方言の はつおんを あらわしている ばあい は つづりを そのままにする。"again" は いくつかの 方言では つづりの とおりに はつおん される。よって、 "agen"(米語では もっとも ふつうの はつおん) とは 書かない。

c) 単語の つづりを 変える際、はつおんの ことなる べつの 伝統的つづり字と おなじ つづりに なるようなことが あってはならない。例:off を of とは 書けない。

d) はつおん に 関して 誤解を 生じさせないのであれば、もとの単語(つづりを かきなおしたかどうかに かかわらず)は、接尾辞が ついたり 複合語に なったりしても、つづりを 変えない。--- die>di>dier, dye>dy>dyer

e) 固有名詞の つづり は 変更されない。

f) (子音字の直後の)語末の -LE はマジック効果を有する。--- bible, rifle, idle, cicle (for cycle).



以下、4つのルールの内容を しめしておきます。左側がルールの和訳で、右側には補足的な説明をつけました。

--- ---
1. よぶんな もじを きりおとす。かきなおされた つづり は、伝統的つづりのパターンに のっとり、単語の せいかくな はつおんを めいかくに あらわすものでなければならない。

"子音+シュワー+ l や r +母音"の もじれつ に おいて、シュワーは カットしてもいいが、維持する選択 も ある。
--- ex. travling, evry (あるいは travveling, evvery)

/O:t/の はつおんをする "-ought" は "-aut" と かく --- ex. "baut" (for "bought")。

どの もじを きりおとすべきかについて 不安が ある ばあい は、以下の モデルを つかうこと。
例: lak (not lac), marrage, mountan, concius, acnollege.

語末の「長音」の あとに 子音の接尾辞が くるときは まえに e を いれること。: i no, he noes, sno, it snoed, groeth.

(もじを きりおとす)例: hed, bom, hav, u, wen (optionaly when), acuse, colide, finaly, basicly, discussd, rekless (not rekles), mesure.

もじを きりおとさない例: could, should, who, call, pull, pressure, future, unnatural, teemmate, pear(sic --- これは 第3のルールにより pare と かかれるはず。).
あくまで、「よぶんな もじを きりおとす」のであって、かならずしも 「(すべての) 読まない もじを きりおとす」 と いう わけ では ありません。

1番目のルールでは、know, hour, wring を no, our, ring と おなじ つづり に してしまうことに なります。

読まない もじ は よぶん と みなして さくじょ するのに、comb, tomb, womb の b は そのまま のこります。coam, toom, woom などのようには 書かないようです。黙字さくじょ の 際に つづりを 微調整するようなことは、bought, thought の パターン以外では ほとんど なさそうです。

beret, dossier などの 語末の無音字も そのまま のこります。それらを さくじょ しただけでは ただしい 読みかたを しめせないからです。


諸原則の c --- c) 単語の つづりを 変える際、はつおん の ことなる べつの 伝統的つづり字と おなじ つづりに なるようなことが あってはならない。 --- により、ass, gall, hiss, off, putt などは、語末の二重子音字を一重化せず そのまま。(一重化すると はつおん の ことなる べつの単語と おなじ つづりに なるため。)

ただし、はつおん が おなじならば つづりが おなじに なることも あります。たとえば、add, butt, inn は ad, but, in と おなじ つづりに なります。ルール1では よぶんな もじを さくじょ するのですが、そのなかには 二重子音字の一重化も ふくまれます。とはいえ、明文化されているわけではなく、用例が あるだけです。

語末の二重子音字を維持することによって、以上のような もんだい は かいけつ できます。

2. 第1強勢があり みじかく はつおん する 母音は、a, e, i, o, u の もじを つかい、マジックE効果を回避するために 直後の子音字を(母音字あるいは -le の前で)二重にする。(それ以外のときには子音字は二重化しない。ただし、語末などの "ss" は容認。)
--- ex. hed, hedded, mith, wimmen, yot, cum, cumming.

なお、j, q, x は二重にしない(ex. project)。-ic, -ity, -ogy の前では子音字を二重化しない。子音字が通常の典型的な読みかたでないときも二重化しない(vision, not vission)。
2番目のルールでは、none と nun の くべつ も、some と sum の くべつ も、son と sun の くべつ も、うしなわれます。

ant と aunt の つづり の くべつ は、諸原則のなかの b の項目ゆえに 維持されることを ねがうばかりです。

そして、短音の直後にある語中の二重子音字を二重化して、city, pity, lemon が citty, pitty, lemmon に なります。

classic の ss は -ic の直前なのに そのまま。これを 一重化すると ただしい 読みかたを あらわせなくなるため。

3. 最終音節で「長い」 a, i, o をあらわすとき、直後に子音が1つ、あるいは子音字1つ+ le のときは、Magic-E の形式へと規則化される(sustane, hite, botes)(table, cicle)。

強勢のある「長い」e は ee で表記する(kee, leeflet)が、be, he, me, she, the, we や、あとに別の母音がくるとき(theater, idea, theory)は 例外として そのまま のこす。
3番目のルールでは、フォニックスで まよわず 読めそうな mail, loan, style を male, lone, stile と おなじ つづり に してしまうことに なります。

faint, feint, waist, faith, child, mind, most, post などでは、母音表記の直後の子音字が 2つなので、マジック e のパターンには あてはめず、そのまま。(ただし、bathe, paste, waste などは母音字の直後の子音字が 2つなのに そのまま。)

people, peace, piece, theme は peeple, peece, peece, theem に なります。baby, happy ; safari, taxi などの -y や -i は、強勢が ない ので そのまま。recipe の -e も そのまま。

coffee の ee は強勢はないが そのまま。matinee の ee は /i:/ ではないのに そのまま。
4. f の おとを f(あるいは ff)で 表記。--- ex. fone, enuf, proffecy.

PH と GH が /f/ (の おと)を あらわす ために つかわれている とき、それらは つづりを 変えられる。
4番目のルールでは、fishing と phishing の くべつ は なくなります。



上記の 4つのルール に ついての せつめい が、このリンクさき に あります。
http://www.wertheliving.com/spelling-society.html

https://web.archive.org/web/20180827022125/http://wertheliving.com/spelling-society.html


やはり、みなおす べき 点 も ある よう です。

 

(発音に関係のない)よぶんな文字を削除するルールによって、knee, knife, knob, knot や gnat, gnaw, gnosis, gnu などの 出だしの k や g は 書かないことになります。しかし、knee の k を削除すると、発音の異なる別の単語 "nee"/nei/ と おなじ つづり に なってしまいます。

 

さらに、know と no も おなじ つづり に なります。knot と not も おなじ つづり に なります。

 

書きかたの簡略化を重視した結果、knight と night を nite と 書くだけに とどまらず、-aCe, -iCe, -oCe や ee を 推進するような ルールを もつことに なりました。

 

つまり、mail, male の くべつ、brake, break の くべつ、gage, gauge の くべつ、rain, reign, rein の くべつ、bight, bite, byte の くべつ、right, rite, write の くべつ、loan, lone の くべつ、bole, boll, bowl の くべつ、role, roll の くべつ、sole, soul の くべつ、meat, meet, mete の くべつ、mean, mesne, mien の くべつ、peak, peek, peke, pique の くべつ、など の ような つづり の くべつ を せずに、おなじ 発音 の 単語 は おなじ つづり に なることが おおくなります。

 

そして、単なる 簡略化 だけ に とどまりません。かれら の つづり字改革案 に おいては、二重子音字の つかいかた の ルール を さだめ、「短音」と「長音」の くべつを 可能な 範囲内で 徹底させます。boddy, citty, habbit, lemmon, mennu, peddal の ような 書きかたをして、直前の 母音字の 読みかた が 「短音」であることを しめすために 二重子音字を つかいます。これにより、フォニックス の 基本的な ルール に 合致する つづり に なる 英単語の 数 が 増えます。

 

その一方で、読みかた の 不規則な broad, canoe, group, sew, shoe, yea など は そのまま 放置する ことに なります。ならば、2字1音の 母音表記が 不規則な ばあい は 修正する という ルールは どうか、と かんがえた ばあい、それでは ルール の 内容 が ふくざつ に なります。

おそらくは、ルールそのものを たんじゅん に しておきたかったのでしょう。

 

しかし、ここから さき は、ルール の みなおし も あり かもしれません

 

ルール4つの前の諸原則

 

諸原則 の なか から、ここでは いくつか あつかいます。

 

a) いかなる おもだった 辞書に おいて も みいだせる つづり の うちで もっとも みじかく、もっとも 表音的な つづりを つかう。


carcase よりも carcass、centre よりも center、draught よりも draft、hiccough よりも hiccup、plough よりも plow など。

ただし、gaol よりも jail を つかう とは ならず、もともとの ルール3 に よれば、マジック e の パターン で "jale" と 書くことに なってしまいます。しかし、これは "jail" の ままで いい でしょう。

ocher と ochre は、どちらが より表音的だろうか。

 

c) 単語の つづりを 変える際、はつおんの ことなる べつの 伝統的つづり字と おなじ つづりに なるような こと が あっては ならない。



off を of とは 書けない と いう こと 以外に、つぎのような 例が 想定されます。

ass を as とは 書けない。
hiss を his とは 書けない。
gall を gal とは 書けない。
putt を put とは 書けない。

ただし、はつおん が おなじ ならば つづり が おなじ に なることも あります。たとえば、add, butt, inn は ad, but, in と おなじ つづり に なります。ルール1では よぶんな もじを さくじょ するの ですが、そのなか には 二重子音字の一重化も ふくまれます。とはいえ、明文化されているわけではなく、用例が ある だけ です。

語末の 二重子音字を 維持することによって、以上のような もんだい は かいけつ できます。(TSRでは、維持。)

 

d) はつおん に 関して 誤解を 生じさせないのであれば、もとの 単語(つづりを かきなおしたか どうかに かかわらず)は、接尾辞が ついたり 複合語に なったり しても、つづりを 変えない。--- die>di>dier, dye>dy>dyer



これによって、語幹が 保持 される こと が あります。

abolition を abolishon と書くのは abolish を ふまえての こと です。
commission を comition と書くのは comit (commit) を ふまえての こと です。
permission を permition と書くのは permit を ふまえての こと です。

また、接尾辞が ついても 語幹が 保持される ばあい が あります。

-ed を つけても y は そのまま です。

dry の y を i に 変えずに そのまま -ed を つけます。dried ではなく dryed です。

そして、おそらく dryer, flyer, fryer なども y は そのまま でしょう。

さらに、-(e)s を つけても y は そのまま です。

語末の -y の 直後に s を つける ときは、y を そのままに して s を つける だけ です。Funky Monkey Babys の "Babys" と おなじ ような 感じ です。y を i に変えて -es を つければ "babies" と なりますが、そのようには しません。

babies --- babys
duties --- dutys
hobbies --- hobbys
ponies --- ponys
possibilities --- possibilitys
twenties --- twentys
thirties --- thirtys
forties --- fortys

ただし、語末の -y が 長音の i の発音のときは、直後に -es をつけます。その際、やはり y を そのままに します。(-ed や -al でも 同様。)

cried --- cryed
cries --- cryes
denial --- denyal
denied --- denyed
dried --- dryed
flies --- flyes
skies --- skyes
spies --- spyes
tried --- tryed
tries --- tryes

 

1. よぶん な もじを きりおとす際の ルールを みなおし

 

よぶん な もじを とりのぞくのが ルール1です。しかし、"すべての" よぶんな もじを とりのぞく わけ では ありません。実際、ルール1には、もじを カットする例と カットしない例が のせてあります。

よぶん で ない もじ は とりのぞかない、という解釈も 可能です。なんらかの やくわり が ある もじ は のこす、ということで。

(はつおん に カンケイのない もじ とは 書いてありませんが、) よぶんな もじを さくじょ する ルールに よって、knife, knob, knot や gnat, gnaw, gnosis, gnu などの でだしの k や g は 書かないことになります。つまり、knot と not は おなじ つづり (not) に なります。さらに、know と no も おなじ つづり (no) に なります。knight と night が おなじ つづり (nite) に なるのも やっかいです。

ただし、knee の k を さくじょ すると、はつおん の ことなる べつの 単語 "nee"/nei/ と おなじ つづり に なってしまうので、つづりを そのままに することに なるでしょう。

単語の でだし の サイレントもじ は そのまま のこせばいい と いうのが 個人的な 意見です。IHS にも TSR にも あてはまります。

 

“OUGHT” WITH /O:/ BECUMS “AUT”, EG BAUT.
/O:t/の はつおんをする "-ought" は "-aut" と書く --- ex. "baut" (for "bought")。


発音に 無関係な "gh" を おとす だけ では ふじゅうぶん なので、母音表記にも 修正を くわえる 必要が あるという 例です。caught や taught は gh を おとす だけで いいのですが、bought, sought, thought は gh を おとすだけでなく ou を au に 変えて baut, saut, thaut に する と いう こと に なります。(ただし、drought や doughty は gh を おとすだけで いい。)

 

単語として 存在する ought と aught の つづり の くべつ は、どうしましょう。TSR に ならって、そのままにしておくのが よさそうです。(ちなみに、改革案 "Traditional Spelling Revised" では、bought, thought, caught, taught なども、サブグループあつかい で そのまま です。)

 

TSRでは、bough も bought も、つづり が そのままになるので、-ough- の よみかた は 2しゅるい あります。plough (plow) は、そのまま英国式か、シンプルな米国式か。

ちなみに、night を nite と 書くのは、gh を おとして e を おぎなう と いう こと では なく、ルール3に よる もの です。本家のHS には、よぶんな もじを おとす 際に 必要な もじを くわえる ような ルールは ありません。TSRでは、night は そのまま です。

ほかにも、はつおん に 無関係な もじを おとす だけ では ふじゅうぶん な ばあい が あります。comb, tomb, womb などは b を おとす だけ では 読みかたを 正確に あらわすことが できません。このような ばあい、そのまま 放置 です。(本家HSでは、けっして coam, toom, woom のようには 書かないのです。TSRならば、あり でしょう。)

ちなみに、bomb は bom で、bomber は bommer に なるの ですが、これは ルール2によるものです。subtle が suttle に なるのも 同様です。

limb は lim に、climb は clime に なりますが、後者は、読まない b の さくじょ と ひきかえに 語末の e を おぎなったのではなく、あくまで ルール3に よる もの です。

succumb は sucum になり、つづり は みじかく なりますが、読みかた は かえって わかりにくく なります。「サカム」なのに 「スーカム」のように みえてしまいます。

ch が /k/ の おとを あらわす ばあい、よぶんな もじを さくじょ する 第1の ルールで うまく いく ばあい (ex. caos, caracter, mecanical, scollar, scool)は いいとしても、chemical, chemistry, scheme のような ばあい は "k" の もじ で おきかえられそうな 気が します。HSでは chemical, chemmistry, scheem に なります。

例として あがっている 語の なかに、lak (not lac) が ありました。lack が lak に なるの なら、luck は luk に、pack は pak に なる でしょう。しかし、lucky や package の -ck- は そのまま です。直前の母音字が 「短音」で ある ことを しめす ため です。

これが trek, trekking のように、luk, lukky, pak, pakkage と 書くのであれば、まだ 弁護の余地が あったと おもうのですが。

 

まよわず よめる -ck- は、そのままで いいのでは?(TSRでは、そのまま。)

例として あがっている語のなかに "concius" が ありました。もとの つづり は  conscious です。このツテで いくと、scent は c ではなく s の ほうを きりおとして "cent" なのか? science も、c ではなく s の ほうを おとして cience か? scene は seen ではなく ceen か?(第3のルールによって /i:/ を "ee" で表記。)

scene, scent, science などは、s をおとすのか、c をおとすのか。

 

こういうのは、そのままにしてしまったほうが いいのでは?

account --- acount (cf. amount)

pollution --- polution (cf. solution)

語末の 二重子音字は 二重で なくなることが おおいが、put と putt の くべつ は 維持される。all, ball, call, wall なども そのまま。hiss, kiss, miss, carelessness, needless なども そのまま。

juice は juce に なる。しかし、fruit は frute には ならない。suit は sute には ならない。(TSR では、jooce とか froot に なるのか? やめておこう。)

psychosis と sycosis が おなじ つづり に なる。(TSR では ch で くべつ。)

sight と site は おなじ つづり に なるが、cite は そのまま のこる。(TSR では くべつ。)

catch は cach に なるが、match は mach に ならない。発音の ことなる べつ の たんご と ぶつかってしまう。ch よりも tch のほうが よみかた が わかりやすいのだから、そのままにしておくのがいい。(TSRでは そのまま。)

alley は はつおん の ことなる ally との くべつ の ため、e は さくじょ せず そのまま 維持。-y は、よみかた が わかりにくい とき が ある。

bowel は はつおん の ことなる bowl との くべつ の ため、e は さくじょ せず そのまま 維持。

morale, rationale は、はつおん の ことなる moral, rational との くべつ の ため、語末の e は そのまま。

foe, woe は fo, wo に なるらしいが、doe や toe は (do, to には ならず) そのまま。

たんご おわり の -e は、そのままにしておこう。(TSRでは、そのまま。)

die, lie, pie, tie, vie は di, li, pi, ti, vi に なると おもわれる。

たんご おわり の -e は、そのままにしておこう。(pie と pi の くべつ も のこる。)

high, sigh, thigh は hi, si, thi に なると おもわれる。
たんご おわり の -igh は、そのままにしておこう。(TSRでは、そのまま。)
 

buy は by に、guy は gy に なる。

内容語の3文字ルール に かんがみて、buy も guy も そのままにしておこう。

bye, dye, lye, rye などは by, dy, ly, ry に なるだろう。
たんご おわり の -e は、そのままにしておこう。(TSRでは、そのまま。)
 

eye については 不明。aye も 同様。

いっそ、サイトワードあつかいにしてしまうのがいい。

本家HSでは、はつおん が おなじ ならば つづり が おなじ に なっても かまわないようです。さまざまな 例が かんがえられます。

buy, bye, by が おなじ つづり (by) に なってしまう。(TSRでは、そのまま。)
hi, hie, high が おなじ つづり (hi) に なってしまう。
hour と our が おなじ つづり (our) に なってしまう。
four と fore と for が おなじ つづり (for) に なってしまう。
fourth と forth が おなじ つづり (forth) に なってしまう。
oh と owe が おなじ つづり (o) に なってしまう。ルール上は そう なります。
ring と wring が おなじ つづり (ring) に なってしまう。
throe と throw が おなじ つづり (thro) に なってしまう。

 

てきせつ な ことば が うかんでこないので、ここは すなおに ばかばかしい と いっておきます。

 


thrown は "throne" とは 書かず、"throen" と 書く。
known は "none" とは 書かず、"noen" と 書く。
show は sho に なるが、複数形では w が 復活して shows に なる。これは (はつおん が ことなる) shoes との しょうとつ を さけるため。ところが shown は shoen に なるようです。


いっそのこと、"ow" は 維持すればいい。show も owe も そのままのほうが まし と おもいますが、ルール上は ダメらしい。

 

owe は、内容語の3文字ルールで、このまま。ついでに、awe も そのまま。ただし、awful のときは、e がない。だが、awesome には e がある。説明が つかない。

 

語末の -i, -o, -u が「長音」の場合

 

語末の -i, -o, -u が 「長音」の ばあい には、-s ではなく -es をつけます。

photos は fotoes と 書きます。
potatoes
tomatoes

blue, clue を blu, clu と 書いたとしても、-es をつけて blues, clues と なるので e は 復活します。(TSRでは、bloo, cloo に。)

lie, pie を li, pi と 書いたとしても、-es をつけて lies, pies と なるので e は 復活します。(TSRでは、そのまま。)

die, lie, pie, tie, vie は di, li, pi, ti, vi になります。(TSRでは、そのまま。)

しかし、di, ti の過去形は died, tied のように -ed が つきます。e は 復活 します。(TSRでは、そのまま。)

 

だったら、di, ti ではなく、die, tie の ままで いいのでは ないか。(TSRでは、そのまま。)

bye, dye, lye, rye は by, dy, ly, ry になります。 (ちなみに、buy は by に、wry は ry になります。)

せっかく dye の e を さくじょ したのに、dy の 過去形は dyed に なります。だったら もう、dye の e も そのまま のこしておけば いいのです。(TSRでは、そのまま。)

foe, woe は e を おとして fo, wo に なるのですが、doe や toe は そのまま です。これは はつおん の ことなる do や to との しょうとつを さける ため です。

「ハウススタイル」の 諸原則(PRINCIPLES)のなかに、つぎのような もの が あります。

c) 単語の つづりを 変える際、はつおんの ことなる べつの 伝統的つづり字と おなじ つづりに なるようなことが あってはならない。例:off を of とは 書けない。



もともと、doe, foe, toe, woe という おなじ パターン なのに、単語によって e を さくじょ したり さくじょ しなかったり するのは、かえって ものごとを ふくざつに してしまいます。だったら はじめから e は そのままにしておくべきです。

argue, cue, due, tissue などは e を そのまま のこす らしいのに、blue, clue, true の e は とりのぞく。しかし、"clu" の 複数形は clues なので、e が ふっかつ します。このような ばあい、e を とりのぞく 意味が わかりません。

 

2. 「短音」と二重子音字についてのルールをみてみる

 

「短音」の a, e, i, o, u は、それぞれ a, e, i, o, u で 表記することに なります。

hymn は him と おなじ つづり に なります。(無音の n を 書かないのは ルール1による。)hymn と hymnal の つながりを かんがみて、himn と かいても よさそうなものです。(autumn や column にも おなじような こと が いえます。)

busy, pretty, sieve は、bisy, pritty, siv のように 書くことに なります。

some は sum と おなじ つづり に なります。son は sun と おなじ つづり に なります。none は nun と おなじ つづり に なります。こういうのは くべつ を そのまま たもちたい。しかし、そんなことをしたら、例外だらけに なってしまいますね。

二重子音字を つかうのは、「短音」の母音字+語中の二重子音字+母音字あるいは(語末の) -le という もじれつ の パターンです。(-all, -ull や -ss や off や putt 以外は、原則として語末の子音字は 二重には しません。)

batter, better, bitter, chopper, cunning, cutter, daddy, fuzzy, guppy, inner, inning, puppy, running, sissy, stopper, sudden, sullen, summer, summit, tabby, topping, yummy

battle, bottle, cattle, cupple(couple), dubble(double), goggle, little, mussle(muscle), nozzle, paddle, riddle, saddle, shuffle, shuttle, struggle, suttle(subtle), trubble(trouble)

(ただし、bullion, bully, pudding, starring のような ばあい は、母音字が「短音」ということではなく、マジック効果を ブロックしているだけです。)

Double Letters
http://spellingsociety.org/kids/double.htm

このパターンに あてはまらない もの を フォニックスの例外 の ように あつかい、そのような 例外を 規則的な 上記の パターンに ならって つづりを 修正 する と いう こと です。

人名の ばあい、Lemmon, Lilly, Mellody のような つづり も あります。

boddy, citty, lilly, pitty, pritty, studdy ; bisy (cf. dizzy)
eddit, exibbit(exibit), habbit, limmit, minnut, rabbit, rappid, timmid
cabbin, cammel, cittizen, compannion, elimminate, fammily, finnish, lemmon, lilly, mannor, mellody, mellon, memmory, mettal, peddal, propper, punnish, raddish, robbin, sattelite, tennor, tremmor

eddit, but edition
commerce, but comercial
grammar, but gramatical(not gramattical)

annalize, anallisis, analitic(not analittic)

-ic, -ity, -ogy の まえ では 子音字を 二重化 しません。

attic --- atic
classic --- classic (no change)

ecology の l は -ogy の前なので二重化しませんが、econnomy の n は二重化します。
geology の l は -ogy の前なので二重化しませんが、geommetry の m は二重化します。

子音字が 通常の 典型的な 読みかた で ない とき も 二重化しません(vision, not vission)。

vision だけでなく、mesure(measure), plesure(pleasure), tresure(treasure) などの s も そのままです。

busy は bisy に なります。
dozen は duzzen ですが、cousin は cusin ではなく そのまま でした。("cuzzin" と 書けば はつおんどおり です。)

scissor については 不明です。ss を /z/ と 読むのは 典型的な 読みかた とは いえません。c を きりおとして sissor でしょうか。(はつおんどおりに 書くと "sizzer" です。)

mission や pressure の ばあい、ss は 典型的な 読みかた とは いえません。しかし、おそらく そのまま でしょう。

favor, labor, major, vapor などは a が「長音」なので そのまま、clamor, glamor, manor などは a が「短音」であることを 明示するために 直後の子音字を 二重にして clammor, glammor, mannor のように かきなおすことに なります。

ただし、「短音」の直後の子音字を 二重に できない ばあい も あります。acid, tacit などは c を 二重に すると 読みかた が 変わってしまう ので 無理です。agile, imagine, magic などは g を二重にすると 読みかた が 変わってしまいます。magician の c や audition の t も 二重には しません。visit, vision, visual の s も 二重にすると 無声音のような 印象に なってしまい、読みかたを 正確に あらわせなくなってしまいます。

本家の「ハウススタイル(IHS)」に おいては、「短音」と「長音」の くべつを 明確に することが できない ばあい が あるのは さけようが なく、例外は はっきりと 例外として のこりつづけることに なります。

 

3. 「長音」とマジック e と ee などについてのルールをみてみる、そして カスタマイズ

 

IHS では、つづりを かえるため の ルールを シンプルに あらわしているだけです。

 

TSR("Traditional Spelling Revised")では、つぎのように 許容範囲を さだめています。

 

Long A --- face, laid, stay, neigh, they

Long E --- scene, feed, lead

Long I --- side, die, why, dye, buy, sigh

Long O --- bone, banjo, floe, moan

( -ow- は /ou/ の おと には つかわない。low の つづり は "loe" に かわる。)

Long U --- tune, due, usual, few, Europe

 

Long U と Long OO と Short OO の 厳密な くべつ は、TSR には ありますが、IHS には ありません。through は、IHS では thru ですが、TSR では throo に なってしまいます。

  

 

a

a-e --- face

ai   --- laid

ay --- stay

eigh --- neigh

ey --- they

break, great, steak, yea などは例外。

great は、grait に なるらしい。

deign, feign, reign などは例外。

rein, skein, vein も 例外?

どのように つづりを かえる?

 e

e-e --- scene

ee --- feed

ea --- lead

be, he, me, she, we などは特例あつかい。

"ie" は、この音には つかわない。

believe は、beleev に なる。

police の i は、そのまま。

 i

i-e --- side

-ie --- die

y --- why

-ye --- dye

-uy --- buy

-igh --- sigh

I は、そのまま。

hi, pi, sci-fi は、どうなる?

eye は、そのまま。aye は?

hype, style, type は?

sign, design, resign など、そのまま。

child, kind, mild, mind, pint など、そのまま。 

 o

o-e --- bone

o --- banjo

oe --- floe

oa --- moan

old, bold, cold, gold, ... などは、そのまま。

host, most, post なども、そのまま。

"ow" は、この音には つかわない。

low, show は、loe, sho に なる。 

 u

u-e --- tune

-ue --- due

u --- usual

ew --- few

eu --- Europe

"eu" は、ギリシャ語起源の語のみ。

beauty は、buty に なる。

   

 

 

 

 

Long A

 

IHS では、ひたすら かきかた の 単純化 です。

 

rain, rein, reign --- rane

vain, vane, vein --- vane

sane, seine --- sane

thegn ---thane

campaign --- campane

champagne --- champane

migraine --- migrane

 

-ain, -aign, -aine, -agne, -ein, -eign, -eine, -egn --- -ane

 

aCe だけでなく aiC も 容認 して いい の では、と おもいます。

ルール3によって、male と mail の くべつ は なくなります。blackmail は "blakmale" と 書くことに なって しまいます。

ほかに、avail が avale に 変わるのは まだ いいとして、available が avalable に なってしまうのは 一歩後退 です。

 

fail が fale に なるのなら、failure は falure に なってしまいます。(え? nature の a は /ei/ なのだから、おなじこと?)

 

sustain が sustane に なるのなら、sustainable は sustanable に なってしまいます。

 

rain が rane なら、rainy は rany であり、eight が ate なら、eighteen は ateen(!)、そして eighty は aty に なってしまいます。

実際、rain, rein, reign などは すべて "rane" と 書くとしても、paint, faint, feint などの "ai" や "ei" は、そのまま のこる よう です。

それなら いっそのこと、もとの つづり が ai/ei/ や ei/ei/ の ばあい は、そのままに して ほしい もの です。

IHS では、sleigh や weigh は、無音の gh を さくじょ して slei, wei と 書くようです。ふつう の えいご と して は、ふしぜん な つづり に なります。sley, wey のようにするのが いいのか、あるいは よまない gh を そのまま のこすのか。

 

(ちなみに、改革案 "Traditional Spelling Revised" では、face, laid, stay, neigh, they など は そのまま です。

そして、語末の -ay と -ey は /ei/ を あらわす ばあい、そのまま です。(ただし、-ey が よわい /-i/ を あらわす ばあい は ルール1により -y に なりますが、alley と ally のような ばあい は 特例あつかい でしょう。)

bare, blare, care, dare, fare, flare, hare, mare, pare, scare, share, snare, spare, stare, tare, ware などは そのままです。

air, chair, fair, flair, hair, pair, stair は、are, chare, fare, flare, hare, pare, stare に なります。

(fair と fare は おなじ つづり に、hair と hare も おなじ つづり に なります。)

"Scarce" は "scairce" には なりません。(なってほしいです。)

heir, their, there, where などは、are, thare, thare, ware(whare) に なります。

bear, pear, swear, tear(as in "tear apart"), wear などは、bare, pare, sware, tare, ware に なります。

dairy, fairy, hairy は dary, fary, hary と なり、scary, vary, wary などと おなじパターンに なります。

 

Long I

 

bight, bite, byte --- bite

night, knight --- nite

right, rite, write --- rite

sleight, slight --- slite

 

-eight, -ight, -ite, -yte --- -ite


type, typo --- type は 3番目のルールにより "tipe" に なりますが、typo に 関しては 不明 です。typo が type の 派生語で ある と いう こと なら "tipo" に なるのかも しれませんが。

child, mild, wild --- そのまま です。わざわざ 語末に e を つけたりは しません。

bind, find, mind --- これらも そのまま です。

feisty, heist --- おそらく このまま です。母音表記の 直後の 子音字が 2つなので。

kaleidoscope, Poseidon

either, neither

fire, hire, spire, tire, wire

fiery ---おそらく firey か firy ?

dryer, flyer, fryer

IHSでは、buy が by に なるので、buyer は byer に なる はず です。(bire には なりません。)buyer の まま で、じゅうぶん。

 

(ちなみに、改革案 "Traditional Spelling Revised" では、by, bye, buy の くべつ は たもたれます。side, die, why, dye, buy, sigh などは そのまま。)

liar は そのまま です。(lire には なりません。TSRでは、なぜか "lyar" に?)

lying は liing に なるのかもしれません。lie が li に なるので、その 直後に -ing です。(lieing の ほう が まだ まし。)

lyre は lire に なる はず です。

 

Long O

 

load, loan, moan, road など は、lode, lone, mone, rode に なります。

comb を come と 書くことは ルール上 できません。"coam" なら いけそう ですが、HS には そのような ルールは ありません。

own を one と 書くことは 無理 でしょう。「ハウススタイル」 では、"oan" とは 書けない でしょう。

owe は "o" でしょうか?

show, showed, showing, shown, shows は、それぞれ sho, showd, shoing, shoen, shows に なります。

boast, coast, roast, toast などは そのまま。子音(字)は 1つではなく 2つなので、マジック e のパターンは つかえません。

host, most, post なども、マジック e のパターンは つかえません。

ghost は h を さくじょ しても、読みかた に 関しては まったく かいけつ に なりません。

old, bold, cold, fold, hold, mold, sold, told など も、マジック e の パターン は つかえません。

boll, knoll, roll, scroll, stroll, troll などは、
bole, knole, role, scrole, strole, trole に なる でしょう。

-oCe を おしすすめる(soul を sole と書くなど)としても、beau, bureau, plateau や gauche, sew など は そのまま のこります。

-oCe の o が すべて 「長音」の o であるとは かぎりません。lose, move, prove など は、o が oo と おなじ 読みかた です。

 

Long E

 

ストレスのある /i:/ を ee と 書く と いう IHS の ルール は シンプル。

weak/week, discreet/discrete, meat/meat/mete, peak/peek/peke/pique など の つづり の くべつ は なくなります。

ただし、coffee, committee は coffee, comittee と なり、ストレス が ない ばあい でも ee が つかわれた ままに なる ばあい が あります。

athlete は、-eCe が そのまま のこります。その部分に 強勢が ないからです。

concrete は 第1音節に 強勢 が あれば そのまま、第2音節に 強勢が あれば concreet です。

colleague は colleag と なり、ea は のこります。その部分に 強勢が ないからです。

increase は、第1音節に 強勢が あれば そのまま、第2音節に 強勢が あれば increese です。

結局、be, he, me, she, (the), we 以外に、ea も -eCe も 多少は のこる こと に なります。(TSR では、それらは すべて そのまま です。)

newbie や rookie などの ような -ie に ついては 不明です。-i にしても -y にしても、よみかた が わかりやすくなることだけは ないでしょう。

 

Long U (and OO)

 

「ユー」や「ウー」に 関する ルールは 明記 されていない。ルール1が 有効な ときは これに したがう。ただ それだけで ある らしい。

you は u に なります。 view は vew に なるはずです。

juice は juce に なるが、fruit は frute に ならない。

beauty は beuty か buty か に なる。

lieutenant は lieutennant に なる。前半の 母音表記が そのままなのは 英米で はつおん が ことなるから。n を 二重に するのは ルール2に よる。

group や soup は そのまま。

canoe は canoo とは 書かず そのまま。

shoe は shoo と 書くべきなのか。私個人としては、shue です(既存の shoo と くべつ するため)。HS では、/ju:/, /u:/, /U/ などに 対応する つづり の ルールが ない よう です。

move, movie, remove など の o も そのまま。oo では ない らしい。

oo の ついでに、ルール1にも カンケイ する こと ですが、could, should, would に ついても、そのままに すべき と いう 意見 と、もじを おおはばカット して cud, shud, wud と 書くべき と いう 意見が ある よう です。(ちなみに、2004年の時点では、読まない "l" だけを省略して、coud, shoud, woud の ように 書く と いう ことに なって いました。)

routine が ruteen に なるのは おどろき です。

sault は su に なるか どうか。ルール1でならば、できるかもしれません。

 

4. /f/の音の表記についてのルールをみてみる

 

たんじゅん な ルール。わかりやすい。単なる 書きかた の 簡略化。ph でも gh でも /f/ の おと を あらわす ばあい は f あるいは ff を つかうようにする、と いう こと。

enuf(enough), ruf(rough), tuf(tough)
cof(cough), trof(trough)
draft(draught), laf(laugh), lafter(laughter)
fotograf(photograph), filossofy(philosophy), tellefone(telephone)

fishing と phishing の くべつ は なくなります。

staff と staph の くべつ は なくなります。staf に なります。

 

ちなみに、"Traditional Spelling Revised" では、ph が そのまま たもたれます。



フォニックスの「超」基本ルールだけを重視して つづりを単純化

 

4つ の ルール の 概略だけを みた ばあい、カンタン では ない に せよ、そんなに ふくざつ と いうのでも なさそう でしょう。でも、やっぱり つかいこなす には むずかしい と おもいます。どのような ばあい でも そうだと おもいますが、ルールを 読んで あたま で 理解 した ぐらい では つかいこなせる はず は ありません。

ルール4つの「ハウススタイル」の 用例を みてみましょう。
http://wendellrobinson.com/wenBLOG/2007/06/01/spelling-bee-protests/
https://web.archive.org/web/20071108211221/http://wendellrobinson.com/wenBLOG/2007/06/01/spelling-bee-protests/

zé do rock says:

english spelling is a bit like windows: if u want to finnish the computer session, u dont look for ‘finnish’, u look for ’start’. then sum peeple cum and propose that thare should be an option ‘finnish’ for wen we want to finnish, and sum peeple who ar used to clik on start to finnish say “thats dumming down!”

June 6th, 2007 at 9:58 am



文頭で 大文字を つかわないのは、ネット上で たまに みかける こと です。「ハウススタイル」の ルールとは いっさい カンケイ ありません。"windows" は 固有名詞 なので つづり は そのままですが、もし そうでなければ "windoes" と つづります。"u" は "you" の こと です。"finnish" は "finish" の こと なの ですが、第一音節の母音字が つよく みじかく はつおん される ので、直後の子音字 n を二重にします。"dont" は "don't" のことです。アポストロフィーは 省略 する ばあい も ある らしい。"sum" は "some" を はつおんどおりに つづりなおした もの です。

"people" を "peeple" と 書くのは、ストレスアクセントのある「イー」は、人称代名詞や be や the などを のぞいて、すべて ee で つづる から です。"come" は はつおんどおりに "cum" と つづります。short-U は すべて "u" の もじ で 表記します。thare は "there" のことです。a+r+無音の e です。(また、hair は hare に なってしまいます。)

should は、よぶんな もじを おとしても はつおんどおりに ならないので そのまま です。shood と 書いても oo が 「ウ」か「ウー」か わかりませんし。when は h をおとして "wen"。we は そのまま。are は e をおとして "ar"。click は c をおとして "clik"。こういった ぐあい です。

ちなみに、ルール1では、よぶんな もじを とりのぞくことに なって いるの ですが、それは つまり こういうことなのです。
"bak"(back), "cach"(catch), "ulogy"(eulogy), "hary"(hairy), "our"(hour)", "no"(know)", "o"(oh,owe), "hole"(whole), "u"(you)"。
catch や match の "tch" は 読みかた が 一種類なので、いろいろな 読みかたを する "ch" よりも 安定した 表記に おもえるの ですが、IHS では 問題視 しない よう です。さらに、luck は よぶんな もじを とって luk なのですが、lucky は u が 「みじかい」 読みかた なので ck を維持します。luck と lucky で りょうほう とも ck を そのままに して おいた ほう が いいように おもえてなりません。

 

(TSRでは、ck, tch, eu, air などは のこります。)

 

すべてをかいけつするものではない

 

たった 4つの ルール では、当然 すべてを かいけつ する こと は 不可能 です。

lose, move, prove も そのままです。これによって、-oCe のパターンの規則性は 絶対ではないことに なります。これがもし、loose, moove, proove のように 書いても いい と いう ルールが あれば、-oCe の パターンの 例外を ほぼ とりのぞけることに なっていたでしょう。(lose と loose は はつおん が ちがう ので、つづり が おなじ に なるのは このましくありませんが、ついうっかり lose を loose と 書く ひと は います。)

shoe, canoe も そのまま です。それぞれ shue, canoo と 書きたい ところ ですが、そのために あたらしい ルールを ふやすわけにも いかない でしょう。ルール3を ダイグラフ(2字1音)・トライグラフ(3字1音) の ルール に かえてしまえば いいのかもしれませんが。

impugn も そのまま です。これを "impune" と 書くためには、ルール1の 内容を 修正するしかありません。もじ の さくじょ と ひきかえに ひつよう な もじ を おぎなうことも ありうる、と。(ちなみに、"Traditional Spelling Revised" では、sign の g は そのまま です。reign の g については不明。)

comb, tomb, womb も そのまま です。本家HSでは、これらを coam, toom, woom のようには 書けません。

owe, own の つづり も そのまま です。ルール1で owe を "o" と 書けるかどうか。own はマジック e のパターンでの修正は 無理 なので、"oen" か "oan" か "ohn" か。

"ohm" は "ome" と 書けるかどうか。(やめたほうがいい。)

sew, sewn の "ew" も そのまま です。soe, soen と 書けば、"ew" の 例外を 解消 できますが。

abroad, broad, broadcast の oa の よみかた は 変則的 ですが、そのままに なってしまいます。abraud, braud, braudcast のように 書ければ よかったのですが。

yea も そのまま です。かわりに yay が つかわれている こと が おおい よう ですが。

scarce も そのまま です。scairce と 書けば つづり と はつおん が 一致します。


 

ルールを すこし 修正して 現実世界で つかいやすいものにする

 

ルール1を すこし 修正して、もじ の さくじょ に ともない ひつよう に 応じて つづりを 微調整 する ような ルールに してしまえば いいのです。実際、thought は gh の さくじょ だけでは ただしい 読みかたを あらわせないとの 理由から ou を au に 変えて "thaut" と 書くことに なっているのですから、もじさくじょ に ともなう 母音表記の 微調整は (ルールを修正すれば) 可能 でしょう。そして、yacht は ch をとりのぞく際に 母音字を変更して yot にすることができます。

comb, tomb, womb を coam, toom, woom の ように 書くことも 可能に なる かも しれません。

night を nite と 書くのは、もともと ルール3に よる もの でしたが、無音の gh を さくじょ して 語末に e をつける と いう こと に すれば、ルール3 なしで すませる こと が できます。

ルール3は、マジック e とは 関係のない べつの ことがら の ために 内容を カスタマイズ すれば いいのです。

規則的に 読みかた が わかる mail を male に 変えるようなことは せず、broad, canoe, sew, shoe, yea などの つづりを 修正したほうがいい。

ルール2は、some と sum の くべつ や、son と sun の くべつ など が 維持されるように 緩和したい。

ルール4は、f の おとを f の もじ で 表記 する と いうの だけ では もったいない。ch が /k/ の おと に 対応している ばあい も ふくめたい。しかし、ルールの かず は なるべくなら ふやしたくない。



ルールの かず は すくない ほう が とっつきやすそう ですが、これでは 詳細が あいまい すぎます。やはり 具体的な ほう が わかりやすそうです。

 

「ルール4つの英語つづり字改革案(IHS)」の概略(TSRに よせて カスタマイズ)

--- よぶんな もじを ただしい はつおん が しめせる 範囲内で さくじょする。そのとき、つづりの微調整をみとめる。でだしの よまない もじ は そのまま。語末の 二重子音字は ほとんど そのまま。ck, tch, wh は そのまま。"-ed" も そのまま。接尾辞の弱母音に 対応する つづり は そのまま。

--- 「短音」を a, e, i, o, u で表記する。直後の子音字は語中ならば二重にするが、例外規定もある。aunt そのまま。son と sun そのまま。some と sum そのまま。none と nun そのまま。(done も doesn't も そのまま?!)

--- 「長音」は、マジック e の拡大適用をひかえる。ストレスのある /i:/ を ee で表記するのは、不規則なダイグラフを修正するときのみ。ダイグラフ・トライグラフの修正を ほどほどに おこなう。

--- f の おと を f の もじ で 表記する(elefant, foto, laff)。(off 以外にも、語末で f を二重にしていい。)(TSRでは、ph /f/ は そのまま。)

 



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